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TR-1104「ECC Report 338 CLI Spoofing」の制定 (番号計画専門委員会)

  番号計画専門委員会では、2023年度の活動で、TR-1104「ECC Report338 CLI Spoofing」を制定しました。(2023年9月4日制定)

TR-1104の概要

  近年の電気通信網のIP化にともない、従来、加入者線に対応して固定的であったCLI(Calling Line ID)は柔軟に設定することが可能となり、利便性の向上とともに、その反面、CLI  Spoofing(発番号なりすまし)が国内でも、国際的にも問題となり、活発に議論されている。CEPT(欧州郵便電気通信主管庁会議)においても、その配下のECC(Electronic Communications Committee)でCLI Spoofingの検討が進められ、CLI Spoofingについて、欧州各国の対応の調査、及び、米国で導入されているSTIR/SHAKENを含む技術的な解決についてまとめたレポートを2022年に発行した。

  CLI Spoofingの問題に対し、現状問題や各国の対応、また論点をより広く理解していただくために、番号計画専門委員会では、CEPT ECC発行のECC report 338を翻訳し、本テクニカルレポートとして発行する。これらの内容は、CLI Spoofingに関する検討に資する情報として活用いただくことにより、現代社会における電気通信番号の理解に大いに役立つものと思われる。

  本レポートの冒頭にあるように、現在は音声通信を中心に進められているが、今後はテキストメッセージング等への適用に議論は発展していくものと考えられる。今後の展開を想定しつつ、一読いただければ、今後の更なる検討のための一助になればと考えている。

(*1)原文はECC NaNの発行ドキュメントとして公表されている。また、翻訳文では、担当者が重要と思われる箇所を太字にしている。
https://docdb.cept.org/document/28558