TR-1058「ICTソリューションハンドブック」の改定 (BSG専門委員会)
TTC BSG専門委員会は、2022年3月1日に技術レポート「ICTソリューションハンドブック」第5版 (TR-1058v5) を制定しました。
制定の背景
TTCは2007年にBSG専門委員会の前身である普及推進委員会を設置し、アジア・太平洋電気通信共同体(Asia-Pacific Telecommunity (APT)) の活動プログラムであるアジア・太平洋電気通信標準化機関(APT Standardization Program (ASTAP))に設置された標準格差解消エキスパートグループ (EG BSG) での討議に参加するとともに、アジアのルーラルエリアにおけるICTニーズや有用性を把握するため、APTパイロットプロジェクトに参画し3カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン)・5分野でICTソリューション実証実験を実施してきました。
これらの討議・ケーススタディを積み重ねていく中で、ICTソリューションをアジアのルーラルエリアに広く普及させるためには、他地域にも展開可能となるようルーラルエリア共通の要求条件や導入ガイドライン等を「ソリューション利用標準」として標準化し普及させる必要性があることを強く認識しました。本技術レポートは、これらの活動を通じて得られた知見をもとにして作成されたものです。
レポートの概要
今回、新たなケーススタディ " e-Healthcare for end epidemic of Tuberculosis in Myanmar " を追加しました。
<プロジェクトの背景>
世界の統計によると、結核(TB)は、感染症の中で最も多い死因です。国連総会は、2018年9月26日、「結核を終わらせるための統一:世界的大流行への緊急の世界的対応」をテーマに、影響を受けるすべての人々に予防とケアを提供する取り組みを加速することを目的として史上初のハイレベル会合を開催しました。2030年には「結核感染防止」をSDGsとして再確認することが合意されました。
ミャンマーは、世界保健機関(WHO)によって結核感染の多いと分類された国の1つです。多くの患者はまだ地域社会で結核に苦しんでいます。患者の早期発見と治療によって他の人への感染を防ぐための対策は世界的な戦略です。
<プロジェクトの目的と範囲>
診断から治療の終了までの治療の全過程で患者をキャプチャできる正確なデータシステムが必要です。今回はICTを利用した情報のトレーサビリティを確保し、データの精度を向上させるシステムの実証実験を進めました。
なお、本レポートの内容は、2021年6月に開催されたASTAP-33で "Handbook to Introduce ICT Solutions for the Community in Rural Areas” (APT/ASTAP/REPT-13(Rev.3))に追加することが提案・承認され、(APT/ASTAP/REPT-13(Rev.4))として制定されました。
APTホームページより参照可能です。
https://www.apt.int/APTASTAP-OUTCOMES