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TR-1096「2020年・2021年の光アクセス関連技術の標準化動向に関する技術報告書」の制定 (アクセス網専門委員会)

  アクセス網専門委員会では、2021年度の活動で、TR-1096「2020年・2021年の光アクセス関連技術の標準化動向に関する技術報告書」を制定しました。(2022年9月1日制定)

TR-1096の概要

  本報告書は、アクセス網専門委員会 次世代光アクセス網SWGの活動の一環として、ITU-T、ONF、CableLabなどの標準化団体(SDO : Standards Development Organizations)において検討されている最新の光アクセス関連技術について、いくつか特徴的なものの技術調査を行い、その結果をTTC会員に展開し、周知いただくことを目的としています。

  近年、光アクセス関連では、10G超の高速化はもちろん、WDMによる大容量化、シェアードアクセスシステムのスケジューリング機能の高度化、システムの仮想化、スライシング技術の導入、携帯電話基地局向け伝送路への適応など、いろいろな方面での検討、標準化が行われてきており、端末機器と伝送路・コアネットワークの間の橋渡しを提供するアクセスネットワークには、高速化や経済化以上の役割が求められるようになってきました。
 特に、これまでのアクセス装置は大きく分けて、センター側終端または集約装置と、端末側終端装置、そしてそれらの装置を管理・運用するEMS(Element Management System)から構成され、それぞれ役割が独立していたオンプレミス型のアーキテクチャでしたが、仮想化技術の導入により、各部の機能のクラウド上での論理化と融合が行われ、サービス導入の短時間化と運用の自動化が進んできています。

  また、光アクセスネットワークも、当初の経済的に一般加入者・企業向けにブロードバンドサービスを提供するという役割から、数多く展開されてきている無線基地局への伝送網として使われるようになり、ヒトとヒト、ヒトとサーバだけでなく、IOT含め、マシン・ツー・マシンの通信を支えるインフラとしての役割も担うようになってきています。今回の技術調査から、上記のような光アクセス業界での動向や方向性が見えてきているのではないかと考えます。

 Ⅱ章では、下記に列挙した各技術内容について検討状況をまとめています。
  Ⅱ-1. ITU-T G.hsp.comTCで検討されているPONスライスのためのマルチDBAと制御アーキテクチャ
  Ⅱ-2. ITU-T G.Suppl.CoDBAでの連携DBAに関する補足文書
  Ⅱ-3. ITU-T G.9804.1での10G超の高速PONの要求条件
  Ⅱ-4. ITU-TでのWDM-PON検討状況
  Ⅱ-5. ITU-T でのROF技術の検討状況
  Ⅱ-6. ONF SEBA プロジェクトの活動状況
  Ⅱ-7. CableLabでの低遅延モバイルXhaul技術の検討状況