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TR-1082「シングル・ペア・イーサネット通信及び直流給電方式についての実装ガイドライン」の改定(IoTエリアネットワーク専門委員会)

  IoTエリアネットワーク専門委員会では、2021年5月11日付けで、TR-1082「シングル・ペア・イーサネット通信及び直流給電方式についての実装ガイドライン」を第2版に改定しました。

TR-1082改定の背景と概要

  現在IEEE802.3委員会において、いくつかのシングル・ペア・ケーブルを用いた標準化が完了、または進行中である。これらの規格はイーサネット通信方式・直流給電方式について規定するものである。しかし、その多くは、利用シーンとして自動車の車載ネットワーク、ファクトリーオートメーションを中心とした、同一メーカでの最終実装を前提とすることを想定するものであり、各メーカの対応機器への実装方法によっては、相互接続ができないことも予想される。

  そのため、相互接続の確実性・信頼性・安定性が危ぶまれることとなり、結果その利用に影響が生じる恐れがある。したがって、ICTサービスとして安心して利用できる環境の構築が目指される必要がある。そのための方策として、シングル・ペア・イーサネットに関する実装要件を明確化し、通信・給電・ケーブル・コネクタの各仕様を合わせ

ガイドラインとして示すことが本技術レポートの目的である。

  本ガイドラインは、ポイント・ツー・ポイント(1対1)で構成される高速通信と小電力を必要とする機器を対象とし、最大1Gbpsの通信速度で最大DC60V(50W)の給電能力と接続機器の消費電力に制限が設けられていることで、環境負荷の低減を考慮したスマートネットワークの実現を目的としている。

  また、現在標準化が進行中の高速化(10Gbps)と、ポイント・ツー・マルチポイント(1対多接続)への対応を将来予定している。

  今後を担うIoTエリアネットワークの1つとして、ネットワーク機器メーカ、端末機器メーカ、ケーブルメーカ、コネクタ等のアクセサリーメーカが、均一な性能を実現し、相互接続を実現するための実装要件を、ガイドラインとして記載したものである。

  第2版では、通信・給電仕様に、10Mbps DC48V給電(AWG18ケーブル時)を追加し、IECケーブル・コネクタ規格に対応した。