TR-1064「IoTエリアネットワーク向け伝送技術の概説」の改定(IoTエリアネットワーク専門委員会)
IoTエリアネットワーク専門委員会では、2020年11月10日付けで、TR-1064「IoTエリアネットワーク向け伝送技術の概説」第3版を制定しました。
TR-1064改定の背景と概要
本報告では、TR-1044「HEMS等に向けた伝送技術の概説」に続いて、HEMSやAMI(UAN)、BEMS、CEMSのみならず、IoTにまで拡大した各種の伝送方式に関して概説する。具体的には国内でのマルチベンダ環境の実現、海外への輸出も念頭に、国際標準化されているものやフォーラム等で検討されている新しい方式等を抽出した。スマートグリッドやホームネットワーク関係のみならずエリアネットワークまで拡張し紹介する。
ITU-Tが作成したスマートグリッド関連の有線伝送方式勧告としては、電力線、同軸ケーブル、電話線を使用する宅内広帯域伝送方式のITU-T勧告G.9960/G.9961「統合高速有線ホームネットワーク送受信器」と、同勧告の関連勧告であるG.9963、G.9964、G.9972及び屋外宅内狭帯域電力線伝送方式勧告であるG.9955、G.9956「狭帯域OFDM電力線通信送受信器」がある。
IEEEが作成したスマートグリッド関連の有線伝送方式規格としては第三世代「HD-PLC」方式が2010年にIEEE 1901として承認され、また新たに第四世代「HD-PLC」方式がIEEE 1901aとして2019年に承認された。また、マルチホップ技術(ITU-T G.9905)と合わせて使用することで、最大10ホップで一台のコントローラ当たり最大1024台のノードを管理することができる。これにより、住空間だけでなく、商業ビル、工場、トンネル、地下施設や街路灯など幅広い環境で適応可能となっている。