ネットワーク利用者とネットワーク利用サービスにイノベーションをもたらす 新技術活用ワークショップ 「スライシング技術利用研究会」の参加者募集について
一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)業際イノベーション本部は、Network Vision専門委員会および企画戦略委員会からの提案に基づき、「ネットワークスライシング技術の利点を発揮したビジネス創出の可能性」をテーマとした、「少人数」「参加型・双方向型」「シリーズ化したプログラム構成」によるワークショップ「スライシング技術利用研究会」を開催することとしましたので、参加者を募集します。
1.目的
5Gをはじめとした次世代ネットワークのコア技術として研究・開発が進められている「ネットワークのソフトウェア化」「ネットワークスライシング技術」は、ネットワーク利用者とネットワーク利用サービスにイノベーションを起こすのではと期待されており、世界的にユースケースからその発展方向を探る試みが始まっています。本研究会においては、これらの技術について、その技術が持つ利点が発揮されるビジネス上の利用法(利用目的、接続・監視・制御する装置・機器、利用方法等)、有望なユースケースの創出・具体化(ネットワークの利用形態、ネットワークへの要求条件、コスト負担能力、セキュリティ要件、代表的なネットワーク構成等)および具体的適用可能性・効果などについて、調査研究することを目的とします。
2.参加者の募集
ネットワークのソフトウェア化やネットワークスライシング技術の研究・開発に関わるだけでなく、ネットワークスライシング技術はさまざまなアプリケーション・サービス創出に関係することから、次のような方々を含め、TTC会員内外を問わず、情報通信基盤を活用したさまざまなサービス事業に関する研究開発・企画・運営に携わる方々や知見を有する大学関係者など、幅広い参加者を募集します。
- インターネット・サービス・プロバイダ
- 5G、仮想移動体通信事業者
- 企業ネットワーク設計・構築ベンダー
- 大規模な企業ネットワークを構築・運用するユーザ企業
- 情報通信基盤を活用し、新たなサービス提供や価値創造を検討しているユーザ企業
募集期間は、2018年9月13日(木)までとします。
3.開催概要
名称
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新技術活用ビジネスワークショップ「スライシング技術利用研究会」
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開催概要
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ネットワークのソフトウェア化、ネットワークスライシング技術に関する研究開発、実用化に取り組んでいる有識者、また、情報通信基盤を活用したアプリケーション・サービスを先進的に進められているフロントランナーの方々から講演いただき、知見を得るとともに、ディスカッション・意見交換・ブレスト・アイデアソンなどによりその知見を深め、スライシング技術の適用が有用なユースケースの創出・具体化・適用可能性・効果などについて実践的に調査研究します。ユースケースの創出が想定される領域例は次のとおりです。
研究会のリーダーは、KDDI(株) 理事 技術統括本部 宇佐見 正士 氏(TTC理事)です。
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主催
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一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)業際イノベーション本部、Network Vision専門委員会
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日時
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2018年9月~2019年1月まで全4回
1回当たり約3時間程度
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場所
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一般社団法人情報通信技術委員会(TTC) 2階会議室
東京都港区芝公園1-1-12 芝公園電気ビル【MAP】 |
定員
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40名程度 多数の参加ご希望者がある場合は、事務局にて調整させて頂きます。
また、一社当たりの参加者数は原則として1名とします。 |
参加費
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●上記以外のTTC会員及びTTC非会員の方:参加者一人当たり3万円/回、通しで参加10万円/4回(税込み)
●参加費の「請求書」は郵送にてお申込者様宛にお送り致します。金額・内容をご確認の上、ご入金をお願い致します。
・ 参加費の振込手数料はお申込者様各位にてご負担願います。 ・ 当日、現金の取り扱いは行いませんので、ご了承下さい。 ●ご登録後のキャンセル、参加費の払い戻しはお受けできませんので予めご了承ください。
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申込方法
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募集を締め切りました
【個人情報について】お送りいただきました内容は、当委員会の「個人情報の取り扱いに関する基本方針」に則り、本セミナーの参加登録他、TTCの各種ご案内に使用させていただきます。
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お問い合わせ
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TTC事務局: 岡本 康史
E-Mail :y.okamoto@s.ttc.or.jp TEL: 03-5776-7792、03-3432-1551(代) |
5.プログラム(案)
(以下敬称略)
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テーマ
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時間
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講師
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第1回
2018年 9月20日(木) |
スライシング技術が可能とする新たなネットワーク利用の可能性(チュートリアル講演)
・ネットワークのソフトウェア化とネットワークスライシング技術の特徴 ・5Gで実現が期待されるサービス ・Open Sourceの活用 ・アプリケーションとネットワークの連携によるサービス創出 |
14:00~
14:40 (40分) |
東京大学大学院
情報学環学際情報学府 専攻長 中尾 彰宏 |
国際的な検討状況①
・TM Forumでの検討状況 |
14:40~
15:10 (30分) |
NTTアクセスサービスシステム研究所
アクセスオペレーションプロジェクト 主任研究員 堀内 信吾 |
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参加社自己紹介
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15:10~
15:30 (20分) |
参加各社
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意見交換・議論・ユースケース創出ワーク①
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15:30~
17:00 (90分) |
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第2回
2018年 10月16日(火) |
キャリアにおけるネットワークサービスへの取組み状況①
・Slice適用時のユーザインタフェース |
14:00~
14:30 (30分) |
(株)NTTドコモ
先進技術研究所 スマートICT基盤研究グループ 主幹研究員 岩科 滋 |
キャリアにおけるネットワークサービスへの取組み状況②
・Slice適用時のユーザインタフェース |
14:30~
15:00 (30分) |
KDDI(株)
ネットワーク技術本部 IPネットワーク部 副部長 熊木 健二 |
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国際的な検討状況②
・3GPPでの検討状況 |
15:00~
15:30 (30分) |
ソフトバンク(株)
コア&トランスポート技術本部 UCプラットフォーム開発部 部長 横田 大輔 |
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意見交換・議論・ユースケース創出ワーク②
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15:30~
17:00 (90分) |
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第3回
2018年 11月7日(水) |
装置ベンダーが想定する5GC/スライシングのイボリューションと新たなサービスへの貢献
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14:00~
14:30 (30分) |
華為技術日本(株)
キャリアネットワークビジネスCTO 赤田 正雄 |
ICT利用ビジネスと情報通信基盤への期待①
・工場内における、アクセス区間に無線システムを適用することによる、ユースケースとその有効性とNWへの要望 |
14:30~
15:00 (30分) |
国立研究開発法人情報通信研究機構
ワイヤレスネットワーク総合研究センター 主任研究員 板谷 聡子 |
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ICT利用ビジネスと情報通信基盤への期待②
「製造業における経営(業務・役割の集合体)の動的可視化により全体最適を担うシステムを構築する観点より」 |
15:00~
15:30 (30分) |
三菱電機インフォメーションシステムズ(株)
ITソリュ-ション事業本部 ITシステム事業部 副事業部長 河田薫 |
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意見交換・議論・ユースケース創出ワーク③
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15:30~
17:00 (90分) |
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第4回
2019年 1月17日(木) |
ユースケース創出と課題抽出
・ブレスト・アイデアソンの呼び水となるプレゼン(ネットワーク利用の考え方の転換点:さまざまなビジネス、ビジネスモデルの可能性、利用者起点によるサービスの出現:イノベーション、協調的活動の必要性等) ・「意見交換・議論・ユースケース創出ワーク①~③」提案に基づくブレスト・アイデアソン形式 |
14:00~
17:00 (180分) |
リーダー:
KDDI(株) 技術統括本部 理事 宇佐見 正士 司会: 一般社団法人情報通信技術委員会 事務局長 稲田 修一 |
(注)講演者のご都合によりスケジュールは変更される場合があります。
(1)各ワークショップは、有識者や先進的に取り組んでいる方々からご講演頂く「プレゼンテーション」セッションと、講演者および参加者で行う「意見交換・議論・ユースケース創出ワーク」セッションにより構成します。
(2)「意見交換・議論・ユースケース創出ワーク」セッションでは、以下の事項に関する意見交換・議論を行う予定です。本セッションの最後に、それまでの議論等を踏まえ、各参加者の方にユースケース創出に関する個別ワークを実施頂きます。個別ワークの内容は次のとおりです。
- ネットワークスライシング技術の利点が発揮されるビジネス上の利用法(利用目的、接続・監視・制御する装置・機器、利用方法等)
- 有望なユースケースの創出・具体化(ネットワークの利用形態、ネットワークへの要求条件、コスト負担能力、セキュリティ要件、代表的なネットワーク構成等)
- 提案の実現に向けた課題
- 協働が必要な課題、望まれる関連要素技術・OSS(オープンソース・ソフトウェア)などの提案
(3)ワークショップ活動の中で、有望と考えられるユースケースの提案があった場合、あるいはサービス提供者・プラットフォーム提供者・通信事業者などのプレーヤー間で協調活動が必要な有望課題が抽出された場合(オーケストレーターの連携など)は、研究会の中で提案や課題を深掘りする、もしくは、Network Vision専門委員会など関係するTTC専門委員会に検討を提案するなどの展開を図る予定です。
6.本ワークショップへの参加について
- 参加される方には、意見交換・議論・ユースケース創出への積極的な参加・提案をお願いいたします。
- 有望なユースケースについては、参加者の中で実用化をめざす活動が始まる場合もあろうかと思いますが、この際のアイデアの取扱いについては別途研究会の中で議論する予定です。
7.その他
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本研究会は、Network Vision専門委員会をはじめ、その他「AI活用」「網管理」「移動通信網マネジメント」「3GPP」の各専門委員会及び「5G標準化連携連絡会」との連携のもと、業際イノベーション本部の研究会として活動します。
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本研究会はGoToMeetingを活用し、遠隔からの参加も可能とします。
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当研究会は当面2018年度の時限の研究会といたしますが、研究会参加者のご意見・ご要望を基にTTCにて継続・終了を判断します。
【参考】本研究会設置の背景
(1) ネットワークスライシング技術の出現
5Gをはじめとする次世代ネットワークのコア技術として、ネットワークのソフトウェア化やネットワークスライシング技術に大きな関心が寄せられています。今までのネットワークは、ユーザにとってカスタマイズが難しく自由に仕様を決めることができませんでした。これを根本から変え、ユーザ仕様に応じたカスタマイズを可能とするのがネットワークのソフトウェア化です。
ネットワークスライシング技術は、ネットワークを仮想的に分割(スライス)することで、ユーザの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術です。今までのネットワークでは、すべてのサービスを同じ基準で収容していましたが、ネットワークスライシング技術を適用すると共通のネットワーク基盤上にアプリケーションやサービス毎に最適な遅延時間や帯域を提供するスライスを仮想的に構築し、エンド・ツー・エンドで必要なサービス品質を満たすサービス別最適ネットワークを短期間に、効率的、且つ、柔軟に構築することが可能になります。
(2) ネットワークスライシング技術が可能とする利用者視点の多様なサービス
このように提供者がネットワークサービスメニューを決めて利用者に提供する形態から、利用者が必要なものを必要なだけ利用する、その柔軟性を活かしてネットワークのボトルネックを排除した新たなビジネスを創出するといった、ネットワーク利用の考え方が利用者起点に変えることが可能となります。諸外国では多くのネットワーク利用者がソフトウェア化やネットワークスライシング技術に関心をよせ、利用技術の開発が進みつつあります。一方、日本ではこれらの利点が十分に理解されておらず、ネットワーク利用と言えば、相変わらず伝送速度や遅延時間などに焦点が当たっている状況です。
(3) ネットワークスライシング技術を活かすインテグレーション、イノベーションの必要性
研究開発を中心とする技術開発側面からはさまざまな実用例が想定されていますが、それを産業や社会に向けてどのようなインパクトがあるのか、どのような課題を解決できるのか、何が足りないのかなど、利用者側面、事業(ビジネス)側面から見たインテグレーションが必要となっています。このような検討を行うには、技術側面、事業側面の両面から検討を行う協調的な活動が必要と考えます。
- ネットワーク利用にもたらすイノベーション:無線/有線を含めたネットワーク構成、ネットワークの実現課題への取組み状況と計画、仮想化網のArchitecture(SDN,NFV)など
- ネットワーク設定・運用自動化(ゼロタッチ・ネットワーク):Orchestrator、Slice対応仮想化資源要件、と管理
- ネットワークの低遅延化:モバイルエッジコンピューティングへの対応と課題、Non-standalone時の組込みなど
- 仮想化に伴う複数ネットワークの連携とワンストップサービスの実現:モバイルSliceとネットワークSlice統合などOrchestrator連携、キャリアロック/ベンダーロックの予防
- ネットワーク管理機能の高度化:AIを含めたネットワーク管理・監視機能(FCAPS)への取組み
- 注:障害管理(Fault Management)、構成管理(Configuration Management)、課金管理(Accounting Management)、性能管理(Performance Management)、機密管理(Security Management)
- 仮想化で可能になる新サービスとアプリケーションの創出
- 仮想化で可能になる新サービスの開発環境:SliceによるAPL運用PlatformやTestbed