令和二年 新年のご挨拶
令和二年 新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。昨年中は、皆様の格別のご厚情を賜り、ここに改めて厚く御礼を申し上げます。
「令和」最初の正月を迎え、1985年創立のTTCといたしましては、35回目の新年にあたりますが、昨年のワールドラクビーで大きな勇気を与えられた「oneTeam」の精神で一丸となり、新たなチャレンジにより一層の発展を図ってまいりたいと決意も新たにしたところであります。
TTCは、日本における情報通信分野の標準化機関として、インターネット・モバイルの飛躍的発展、通信のグローバル化など、情報通信ネットワークの発展に寄与してきました。今日では、あらゆる産業において、デジタル化によるビジネスモデルの転換を意味する「デジタルトランスフォーメーション」が急速に進展し、標準化活動の範囲も、従来の技術文書の作成を中心とする活動から、技術面のみならずビジネス的側面を支える活動に拡大しています。
背景には、自社のリソースを活かした一社単独の技術開発から、既存の枠組みを超えて技術やアイデアを集約し、短期間で新サービスを開発する「オープンイノベーション」に取り組む企業が増えてきたことがあげられます。複数の企業が協力してビジネスを拡大し、お互いの利益を享受しあう「エコシステム」の構築には、標準化を
活用して他社に自社技術をオープンにすることで利益を得るオープン戦略と、知財などを駆使したクローズ戦略の両輪が必要となり、国際標準化の活用は、ますます重要性を増しています。
さらに、国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、企業が果たす役割はますます高まっており、TTCにおいても社会課題の解決に向けて時代の流れを先取りし、的確な標準化テーマの設定、国際標準化の推進などに貢献していく所存です。
本年は、5G移動通信サービスの商用化や「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催が予定されており、これらの成功をお祈り申し上げます。また、今年は、ITU-Tにおいて4年に一度の世界電気通信標準化総会(WTSA)がインド(ハイデラバード)で開催され、新研究会期の標準化課題と体制などが決定され、グローバルレベルの検討が本格化する年でもあります。TTCは、これらの新しい潮流を捉え、会員の事業展開や我が国の国際競争力の向上に貢献したいと思っております。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。本年の皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
令和二年 一月一日
一般社団法人情報通信技術委員会 専務理事
前田 洋一
ウェブブラウザでの縦書きテキストレイアウトは、国際標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)において規格化が進められてきたものであり、2019年12月、勧告化の手続が完了し国際標準として完成しました。この活動に際しては、総務省が支援する『次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会:縦書きWeb普及委員会」が、日本語要件の打ち込みや実装例の積み上げを通じて、標準化議論に寄与しております。
今般国際標準化されたことを受け、TTCとしては、今後ウェブ上での縦書きテキストレイアウトの活用による「縦書き」表記の普及に資する観点から、当該規格を用いてTTCホームページ上での年頭挨拶を表示しています。