2019年度TTC表彰における総務大臣表彰の受賞者決定
TTCでは毎年6月に、事業活動推進の一環として、TTCの事業遂行に多大な貢献をされた方に対しTTC表彰を行っており、情報通信技術賞として「総務大臣表彰」と「TTC会長表彰」は「表彰選考委員会」により選考されます。加えて、TTC標準の作成維持等に相当期間、積極的に参画しその功績が著しい方に対して「功労賞」、また、TTCの組織運営を支援し寄与された方に「感謝状」を贈呈しています。
本年の2019年度のTTC表彰受賞の皆様のお名前と受賞内容については、TTCのNews Releaseでご紹介しています。
本ブログでは、TTCの情報通信技術賞におきまして、「総務大臣表彰」と「TTC会長表彰」を受賞される方を紹介させていただきます(以下、氏名は五十音順)。「総務大臣表彰」については、表彰選考委員会の推薦を得て、総務大臣に対して、総務大臣表彰として表彰状の交付を上申してまいりました結果、以下の2名の受賞が決定されました。
IPTV サービスの標準化を提唱し、IPTV フォーラムにおいて IPTV サービスに係る技術仕様の標準化や共通プラットホーム上でのサービス提供の実現において中心的な役割を果たした。また、その標準仕様のアップストリーム化を主導し、ETSI 標準や ITU-T 基本勧告の成立に貢献。さらに、IPTV サービスの一つである地上デジタル放送の IP 再送信サービスの実現及び普及に尽力し、国内のみならず国際展開に大きく寄与した。その他にも、デジタルサイネージコンソーシアムの設立やW3C におけるウェブ・ベース・サイネージの標準化推進、ITU-T SG16 におけるデジタルサイネージ関連勧告の制定に大きく貢献した。また、超高臨場感通信技術に関して、ILE(Immersive Live Experience)と言う名称での標準化を提唱し、ITU-T SG16 での標準化を主導し、主要関連勧告の制定に大きく貢献した。
田中 俊昭 様 (KDDI 株式会社)
「暗号及び認証技術にかかる研究開発・標準化及び実用化への貢献」
高速に暗号化/復号処理が可能な共通鍵暗号アルゴリズム「KCipher-2」の研究開発を行い、ISO/IEC JTC1/SC27 において標準化を推進し、2012 年に国際規格化(ISO/IEC 18033-4)した。本暗号は、2013年に総務省・経済産業省が発表した電子政府推奨暗号に選定され、1,000 万台以上のスマートフォンにおいてスマホアプリの利用者認証、コンテンツの暗号化等に利用されている。また、多数の機器がセキュアな通信を行うためのグループ鍵管理(ISO/IEC 11770-5)の標準化を主導した。ITU-T SG8(テレマテ ィークサービスのための端末)においては、オーディオグラフィック会議や文書会議の通信手順の標準化に寄与すると共に、ラポータとして文書通信サービス(T.190 シリーズ)の勧告化を牽引する等、国際標準化の推進に大きく寄与した。
「TTC会長表彰」は以下の5名の方が受賞されます。
新 善文 様 (アラクサラネットワークス株式会社)
「IPv6の開発・実装を通じた標準化及び普及推進にかかわる功績」
有吉 正行 様 (日本電気株式会社)
周波数高度利用を実現するネットワーク制御技術に関するIEEE標準化にかかわる功績
岩田 秀行 様 (日本電信電話株式会社)
「アジア太平洋地域及び学術団体との連携による標準化推進並びにITU-T等の標準化戦略の策定にかかわる功績」
田中 茂 様 (沖電気工業株式会社)
「ITU-Tの標準化戦略の策定・標準化活動の戦略的推進及びTTCの経営改善にかかわる功績」
田村 基 様 (株式会社NTTドコモ)
「移動通信網のネットワーク仮想化アーキテクチャの標準化及び実装推進にかかわる功績」
上記の総務大臣表彰、TTC会長表彰を受賞される皆様に加え、「功労賞」を受賞される19名の方と、「感謝状」を受賞されるコネクテッド・カー専門委員会「災害時に自動車を用いた情報通信システム」標準化作業チームと伝送網・電磁環境専門委員会通信装置のソフトエラーに関する標準化Adhocの2団体12名の皆様方にお祝い申し上げます。また、受賞の皆様を支援してこられた職場やご家族の皆様方にも、あわせて、心よりお祝い申し上げます。
TTC表彰式は、2019年6月18日(火)、メルパルク東京において、招待制で執り行われます。