マエダブログ

マエダブログ TTC専務理事・前田洋一のTTCよもやま話

GSMAとのMoUの締結について

 季節は小暑(しょうしょ)、来週には大暑(たいしょ)を迎え、暑さが日に日に増してきています。間もなく梅雨も明けるでしょうが、涼しさをもたらした雨を懐かしみ、雨にうたれる睡蓮の花と雨にぬれる紫陽花の写真をお届けします。また、暑気払いに、地元の三浦スイカを栽培している農家を訪問し、大きなスイカ玉をいただきました。今年のスイカは「夏のぜいたく」という品種で、重さは一玉15kg、糖度は14度もある上品な味わいでした。

 今回のブログでは、この度、TTCがGSMA(GSM Association)とMoU(Memorandum of Understanding;覚書)を締結することとなりましたのでご報告します。

 GSMA(参考URL:http://www.gsma.com/)は、移動体通信に関する通信事業者や関連企業を会員とする国際業界団体であり、1995年に設立され、本部は英国 ロンドンにあります。200カ国で800弱の機関が会員となっています。GSMAの活動内容としては、GSMやLTEなどの移動体通信に関する方式・システムの支援推進を行うとともに、政策面や市場開発・技術開発等の観点から幅広く活動しています。また、Mobile World CongressやMobile Asia EXPOなどの大規模な展示会を開催しています。

 今回のMoU締結の背景としては、2013年11月にTTCにおいてGSMAの事務局メンバと意見交換を行う機会があり、その中で、3GPP(Third Generation Partnership Project)で検討・仕様化されているIMS (IP Multimedia Subsystem) の標準化について、双方の組織から作業状況を報告し、お互いに類似する標準化作業を進めていることが分かりました。このため、GMSAとTTCとの間での重複作業の回避と、お互いの仕様・標準の充実化を目的として、協調していくことで意見が一致しました。

 このMoUの締結により、情報交換および相互に関連委員会会合への参加が可能となり、GSMAとTTCとの間での標準化作業の重複を回避するとともに、互いの仕様の充実のための議論が可能となります。また、IPR(知的財産権)に関する情報交換も期待されています。

 TTCでは、信号処理専門委員会と密接な関連があり、IMS相互接続に関する分野での議論が期待されています。「IMS相互接続」に係るTTCでの活動としては、2014年3月に制定された TS-1020 (IMS事業者網間の相互接続共通インタフェース)の改版、標準制定があります。

 GSMAでは、IREG(Inter-working Roaming Expert) Groupとの密接な関係が想定されています。

 なお、技術仕様TS-1020は「TTCドキュメントDB」で、検索窓にドキュメント番号「TS-1020」を入力いただけばご覧になれます。