平成25年度TTC表彰式典行われる
平成25年6月17日、メルパルク東京にて、平成25年度のTTC表彰式典が開催され、柴山昌彦総務副大臣をはじめ、多くのご来賓の方々のご出席を賜り、無事、表彰式典を挙行することができました。総務省をはじめ、TTC会員会社の皆様、関係団体の皆様には、日頃からTTCの事業活動に対し、ご支援・ご貢献をいただき、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
TTCの事業活動推進の一環として、TTCの目的に沿う事業の遂行に多大な貢献をされた方々に対し、毎年表彰を行っており、その賞としては、情報通信ネットワークに係る標準を作成することにより、情報通信分野における標準化に貢献するとともに、その普及を図ることに沿う事業の遂行に多大な貢献をされた方へ与えられる「情報通信技術賞」として、総務大臣表彰とTTC会長表彰があります。そして、TTCの事業として相当期間、標準の作成維持等に積極的に参画しその功績が著しい方へ与えられる「功労賞」があります。
平成25年度は、総務大臣表彰3件6名、TTC会長表彰2名、功労賞24名の方々が受賞されました。
現在のTTC表彰制度は平成16年度に始まり、今回は10年目となります。この日、TTCの「情報通信技術賞」ならびに「功労賞」を受賞された皆様方、また、ご支援をいただきました職場やご家族の皆様方にも、あわせて心よりお祝い申し上げたいと思います。
表彰式典は、TTCの第51回定時総会のあと行われ、TTC羽鳥光俊会長の開会の式辞、ご来賓を代表され総務省から柴山昌彦総務副大臣のご祝辞、そして、TTC表彰選考委員会の安田靖彦委員長から表彰選考結果のご報告を頂き、表彰状の授与式が行われました。
以下では、表彰式典の模様を写真でお伝えします。
柴山総務副大臣のご祝辞では、受賞者へのお祝いの言葉と共に、ICTの標準化に携わる我々への貴重なメッセージを頂きましたので要点を以下に記載します。(【動画】祝辞を述べる柴山総務副大臣 総務省HPより)
- 日本は現在、崖っ縁に立たされていると言わざるを得ない厳しい状況にある。その中でもICT分野についてはグローバル競争の中で特に厳しい状況にある。このような中、如何にして我々の日本を立て直し、元気な日本を再生させるか、そして、その先の未来や希望をどのように創出していくのかが、我が国にとっての重要な課題の一つである。
- ICT分野は、新たな富の創出や生産活動の効率化に大きく貢献するとともに、その利活用が経済成長のための重要な鍵となることは論を待たないところである。特に、我が国のGDPの約1割を占めるICT分野は、日本経済への寄与度の大きい産業であり、ICTが今後の我が国の経済再生を決定づけると言っても過言ではない。
- 総務省では、ICTを日本経済の成長と国際社会への貢献の切り札として活用方策を検討するために、本年2月に総務大臣の主宰のもと「ICT成長戦略会議」を立ち上げた。現在、とりまとめの最終段階にあるところ、研究開発の観点からは、新たな価値を生み出し社会的な大きな変化を起こすイノベーションの創出の重要性が指摘されている。そして、このイノベーション創出に欠くことのできない要素として、既存の常識に縛られない独創的な発想をもつ人材が必要とされている。
- 今回受賞される方々は、専門分野を深く掘り下げて標準化活動を長年続けられた方、また、最新の技術の開発と標準化に果敢にチャレンジして日本企業の国際展開につなげた方々です。まさに、イノベーションの創出に貢献された方々です。
- 標準化活動は、技術力を背景にした駆け引き、交渉のノウハウ、国際的に幅広い人脈や語学力が必要で、一朝一夕に対応できるものではない。受賞者の方々には、その技術やノウハウを後進にお伝え頂き、将来の標準化人材の育成にも、引き続きご尽力いただきたい。
受賞された皆様の集合写真を写真3に示します。
TTC表彰の中で、総務大臣賞を受賞された皆様の受賞内容について以下に紹介します。
藤原 塩和 殿 (株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)
電気通信サービスの多様化、高度化の進展を支える重要な事業基盤である国内電気通信番号計画の策定にあたり、事業者間の公平性、利用者の利便性を確保するために大局的見地から提案し具体化を図るとともに、これに基づいて料金設定の自由化のための柔軟課金方式、M2Mのための番号等幅広い標準化を推進した。更に、携帯電話の爆発的な需要増加に対応するため、携帯電話番号を11桁とする大規模な変更に際して中心的役割を果たし、情報通信の標準化及び市場の発展に大きく貢献した。
村井 美富 殿 (元 日本アルカテル・ルーセント株式会社)
アジア・太平洋電気通信標準化機関(ASTAP)において、インターネット関連専門委員会の第1回会合から21年間継続して議長を務め、アジア・太平洋地域と国際標準化団体間の関係の強化・育成を図るとともに、組織運営委員会及び産業連携委員会の議長代理として、技術革新に柔軟に対応するための体制等を確立し、アジア・太平洋地域における標準化活動を推進した。更に、日中韓によるCJKIT Standards Meetingの特別グループ初代議長として、3カ国間で協調、連携して標準化を推進するための基盤を構築するなど標準化活動に大きく貢献した。
100G光COEプロジェクト(COE: Center-Of-Excellence)
ディジタル信号処理を活用した新しい光伝送方式について、組織の枠を超えたオールジャパン体制を組み、我が国の知的財産の結集と具現化を実施し、システムの安定動作を実現するためのアーキテクチャを基に、高性能軟判定誤り訂正技術、波形歪み補正技術等、世界最高性能となる毎秒100ギガビット級光送受信技術を世界に先んじて開発・実用化するとともに、標準化を積極的に推進し国際標準の策定を主導した。更に、開発した機能を実装した半導体のグローバル展開に成功し、世界のデファクト標準の確立に大きく貢献した。
受賞表彰式典の後は、受賞者を囲んでの懇親会を催しました。120名を超える多くの皆様にお集まり頂きました。TTCの事業活動の推進のためには、人と人とのコミュニケーション、ヒューマンネットワーキングが非常に大切です。一年に一度の貴重な機会である受賞の皆様を囲んでの懇親の場を皆様の交流の場としてご活用いただけたのであれば幸いです。
情報通信ビジネスの経済状況は依然厳しい状況にあると認識しておりますが、情報通信が、災害時のライフラインとして、気候変動におけるCO2削減手段として、また、ITSやスマートグリッドをはじめとするM2M等の新規ビジネスの核として、情報通信の重要性は疑いのないものと信じます。また、その情報通信ネットワークの標準化が、日本の国際競争力強化に貢献できるものであり、我々TTCの事業活動がその一助となるよう一層努力をする必要があると思っております。今後ともご支援、ご協力を賜れますようお願い申し上げます。