ITU Kaleidoscope 2013国際会議(京都開催)のプログラム決定
4月26日のブログで報告しましたITU Kaleidoscope Academic Conference 2013 (K-2013) の日本開催について、運営準備が進み、論文募集と論文選考が終わり、2013年4月22日から24日の会議で発表される論文を記載したプログラム第一版が完成しました。運営組織委員会の1メンバーとして、最新情報を提供させていただきます。また、会議運営をご支援いただくスポンサーおよびサポート会社のロゴを掲載したポスターも以下のようにアップデートされております。本番の会議への多くの参加勧誘と日本の誘致支援を成功させるためのキャンペーンにもポスターをご活用いただければと思います。今回のブログでは、大会プログラムの特徴、見どころをご紹介します。
Kaleidoscopeとは、“万華鏡”のことで、将来に向け様々に変貌する革新技術を自由に展望する意図から命名されました。ITUの標準化活動に、研究機関や大学などのアカデミアの方々を招き、長期的視野の標準化や最先端の研究課題を取り込むことを狙いとしたITUが企画する国際会議です。標準化に若い人材の参加を促し、長期の研究テーマから標準化を展望する本会議は、標準化活動の活性化と人材育成に役立つものであり、TTCとしては将来の標準化の研究課題を発掘するため、アカデミアとの連携は重要であると考えており、本活動を支援していきたいと考えています。また、私は、ITU-TでのKaleidoscopeの企画立ち上げに関わり、第1回のKaleidoscope 2008(ジュネーブ)から第3回のKaleidoscope 2010(インド)までの総合議長を務めた関係があることから、日本での開催を成功させられるよう寄与したいと思います。
No.
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開催日
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開催場所
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第1回
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2008 年5月12日-13 日
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スイス(ジュネーブ)
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第2回
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2009 年8月31日-9月1日
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アルゼンチン(マルデルプラタ)
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第3回
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2010 年12月13日-15日
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インド(プネ)
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第4回
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2011 年12月12日-14 日
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南アフリカ(ケープタウン)
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さて、第5回となる京都会議のテーマは「Building Sustainable Communities ;持続可能な社会の構築」と題し、将来のネットワーク技術やサービスに関する議論だけではなく、社会経済学や文化、倫理などの観点から幅広い分野での論文発表が行われます。本会議の論文募集はEDAS論文管理システムを通じて行われ、9月24日に締め切りましたが、35ヶ国から99件の論文応募がありました。99件のうち日本から17件の応募がありました。投稿論文は、プログラム委員会に登録された100名以上の大学の先生を中心とした専門家を査読者として、論文1件に3名以上の査読評価が得られるように査読され、査読評価点の高い論文から33件(15ヶ国)の論文が選定されました。論文採択率は33%で例年並みの選定基準となりました。
採択論文33件のうち20件は講演形式のセッションで、13件はポスターセッションでの発表となります。33件のうち日本からの論文が11件含まれ、日本からの論文の質の高さをアピールすると共に、本会議に大きな貢献をしています。さらに、本会議の特徴として、最優秀論文(上位3位)に、5000ドル、3000ドル、2000ドルの奨学賞金が授与されると共に、現役学生の論文には「若手論文著者賞」が授与されます。最優秀論文賞は、20件のセッション発表論文の中から、査読時に高い評価を得た論文8件が既にノミネートされており(プログラムの発表論文名に“*”が付されています。)、当日の発表内容を踏まえて選定され、4月24日に発表されます。また、優秀論文はIEEEで最も発行部数の多いIEEE Communication Magazineに掲載されるという特典も得られます。
プログラムの構成としては、投稿論文によるセッション講演とポスターセッションの他に、3件の基調講演と3件の招待論文の発表が予定されています。また、詳細はまだ調整中ですが、Show caseとJules Verne’s cornerがサイドイベントとして計画されています。Show caseでは、将来のSustainable社会の構築に役立つ主要技術の展示を行う予定です。また、Jules Verne’s cornerはSF作家のジュール・ヴェルヌ氏の名前をとったセッションで、より長期の将来課題に視点を置いた招待講演で構成されます。今回で第3回となるJules Verne’s cornerのテーマは”The day after the IoT collapsed(IoTが崩壊したその後)”の予定です。
3日間のKaleidoscope国際会議の翌日4月25日は、同じ会場で、Kaleidoscopeのサイドイベントとして、ITUと電子情報通信学会(IEICE)との共催による「標準化に関する教育」ワークショップの開催も決定しております。ITU-Tでは"education about standardization"に関するITU-T局長アドホック会合が開始されており、その第2回会合との併催となる予定です。
以上、ご案内しましたITU Kaleidoscope Academic Conference 2013 (K-2013) は、京都大学;百周年時計台記念館において開催されます。参加費は無料ですが、参加にはオンライン登録が必要となります。より多くの方に参加いただき、日本開催を成功させるよう、皆様のご支援をお願い致します。
今回のブログは、本年の最終号となる予定です。マエダブログを始めて二年になりますが、世の中で言われるブログというより、出張報告書のような内容で読みにくかもしれませんが、標準化に関するライブな出来事を、私なりの視点、解説を加え、TTCの活動を理解いただくための一助になればと思っております。来年も本ブログを継続していく予定ですので、引き続きご愛読いただければと思います。皆様、良いお年をお迎えください。