普及推進委員会におけるタイNBTC及びマレーシアMTSFBとの標準化連携
TTCの普及推進委員会の東南アジアにおける標準化普及推進活動イベントとして、「TTCとタイ国家放送通信委員会（NBTC）とマレーシア技術標準化フォーラム（MTSFB）との標準化協調会合」及び「ICTと標準化に関するTTCとタイNBTCとの合同ワークショップ」を開催するために、10月30日と31日にタイ、バンコクへ出張してきました。
NBTC（The National Broadcasting and Telecommunications Commission）は2010年2月にタイ郵政電信省の改革により、NTC（国家通信委員会）とNBC（国家放送委員会）が合体した組織で、国家放送通信委員会と称し、主官庁とは分離して電気通信に関わる標準化のうち規制関係を扱う機関です。TTCは前身のNTCとの間で「タイNGNフォーラム」を推進してきた歴史があります。今までのタイとの関係を継続強化するために、今回、新体制となったNBTCとTTCとの間で、今後の標準化に関する協調関係を議論しました。また、今回から、昨年の10月にTTCとの覚書（MoU）を締結したマレーシアの標準化組織である技術標準フォーラム（MTSFB ： MALAYSIAN TECHNICAL STANDARDS FORUM BHD：http://www.mtsfb.org.my/）をゲストとして招き、日本とタイとマレーシアの３ヵ国での今後の協調関係を議論しました。MTSFBに関する詳細は2011年10月17日付のマエダブログを参考にしてください。
＜TTC-NBTC-MTSFBの合同標準化協調会合＞
10月30日に開催の「TTC-NBTC-MTSFBの合同標準化協調会合」では、TTC、NBTC、MTSFBそれぞれの最新の標準化活動の報告に加え、TTC大使でETSIのボードメンバーである釼吉薫氏（NEC）がITU-TのSG11及びETSIの最新動向を報告し、情報交換を図りました。そして、将来の協調関係のあり方について議論し、以下の点について合意を得ました。
- 情報交換のための合同のワークショップを定期的に開催する。２０１３年はMTSFBとNBTCがそれぞれホストで、マレーシアとタイで一回ずつ開催する。
- APTのASTAPにおける標準化において、３ヵ国で連携してインターオペラビリティやBSG（Bridging the Standardization Gap）作業グループの活動を推進すること。
- 普及推進委員会が推進するSHARE会合（5月28日付マエダブログ参考）との連携を図り、アジアの他の国への展開を推進する。
タイのNBTCとの間では、個別のMoUの締結に向けて、今後検討を行なっていくことになりました。また、今回の会合にはマレーシアのMTSFBはゲストとして参加しましたが、標準化機関の連携として、TTCとNBTCとの枠組みに加わりたいという意向が示され、３ヵ国の連携の枠組みについても今後検討を行なっていくこととなりました。
＜TTC-NBTCのICTと標準化に関する合同ワークショップ＞
10月31日に開催の「TTC-NBTCのICTと標準化に関する合同ワークショップ」は、NBTCで電気通信分野の責任者であるNBTC副会長（Settapong Malisuwan将軍）の書記官Jesada Sivaraks氏の歓迎の辞と前田の開会の挨拶で始まりました。ワークショップの前半は、MTSFB、NBTC、TTCからそれぞれの標準化活動状況の報告を行う基調講演が行われ、後半では、TTC普及推進委員会の会員会社の中から、NTT、沖電気、三菱、NECの専門家により、最新のICT技術、製品、サービス動向の紹介講演が行われました。技術課題としては、光アクセス、IPTV、ホームゲイトウェイの標準化課題を中心に議論を行いました。ワークショップの参加者は、現地のタイの各企業から５０人以上の参加者を得て、有益な情報交換を図ることができました。
TTCでは、普及推進委員会での活動を通じたアジア諸国との国際連携の強化を推進しており、TTCの標準化の経験とノウハウをアジア諸国に提供すると共に、人的な技術交流を図ることにより、会員会社のアジアでの新たなビジネスチャンスの創造に寄与することを目指していきたいと思います。今後、如何に日本をアピールしていくかは大きな課題であり、今後の標準化を通じた交流がビジネス創造での功を奏することを期待しています。
写真１と２は、10月30日開催の「TTC-NBTC-MTSFBの合同標準化協調会合」での会議模様と集合写真、写真３と４は10月31日に開催の「TTC-NBTCのICTと標準化に関する合同ワークショップ」での会場模様と集合写真です。
