「oneM2M」標準化組織の正式発足について
2012年7月24日(日本時間7月25日午前)、米国ワシントン州のベルビュー市において、世界の代表的な7つの標準化開発機関(SDO【注参照】:ARIB、ATIS、CCSA、ETSI、TIA、TTA、TTC)の代表が集まり、M2M分野における国際協調的な標準化活動を推進する「oneM2M」を設立することを合意し、国際的な新組織「oneM2M」を正式に発足しました。
TTCでは、「oneM2M」へのSDOとしての加入を6月の理事会で承認しました。今回の正式発足にあたって、「oneM2M」締結署名式には、I3Cの山中本部長がTTCを代表して参加しました。写真1は署名式に参加した7つのSDOの代表者、写真2はTTC代表の山中本部長です。山中本部長の隣はCCSAのZemin氏です。
「oneM2M」設立を合意したSDOの一つとして、「oneM2M」への参加はオープンなものとし、あらゆる市場・産業関係者からの意見に柔軟に対応することが重要と考えます。また、M2Mに関連する産業界・市場からのニーズに対応可能なシンプルかつ効率的な運用体制を構築することが必要であり、国際的な協調と統合を図りつつ、同時に地域毎の要求事項と相違点のバランスを考慮した標準策定を行うことが重要と考えます。
「oneM2M」では、当面無線関連のアクセス方式についての標準化の計画は未定ではありますが、3GPP等の無線システムとの連携は重要であり、国内での「oneM2M」への対処議論においては、無線の専門集団であるARIBと連携していく計画です。その中で、M2Mのサービスレイヤ仕様の検討については、TTCが主となる課題であると認識し、新たに設置した「oneM2M専門委員会」にて国内議論をリードしていく予定です。
M2Mの国際標準化に関しては、「oneM2M」での標準化協調の動きに並行して、国際デジュール標準化機関であるITUにおける動きもあり、IoT (Internet of Things)に関するIoT-GSIやJCA-IoT、2012年の1月のTSAG会合で設置が合意されたFocus Group on M2M Service Layer (FG M2M)の動向も注視していく必要があります。特に、ITUでのM2Mについては、WHOやContinua Health Allianceとの連携を中心に、当面e-healthアプリケーションサービスのためのプロトコル等を検討していく予定です。
TTCでは、ITUでのM2Mに関する標準化が具体化される前の段階でのFocus Groupへの対処を議論するために、スマートコミュニケーションAGの下で、 e-Health WPを新設立して対処する予定です。
今後、「M2M」に関する標準化議論については、oneM2M専門委員会やスマートコミュニケーションアドバイザリーグループで逐次開始して参りますので、皆様の関連委員会へのご参加をお待ちしております。まだ、TTC会員でない方は、入会案内を御覧ください。
【注】SDO (Standards Development Organizations)としては、日本のAssociation of Radio Industries and Businesses (ARIB) と我々The Telecommunication Technology Committee (TTC)、米国のAlliance for Telecommunications Industry Solutions (ATIS)およびTelecommunications Industry Association (TIA)、中国のChina Communications Standards Association (CCSA)、欧州のEuropean Telecommunications Standards Institute (ETSI)、韓国のTelecommunications Technology Association (TTA)が参加しています。