TTCシンポジウム「スマートグリッドとICT」の開催に向けて
世界各国でスマートグリッドに関するさまざまな取組みが進展し、実証的な取組みだけでなく、国や地域によっては、新しい街づくりや既存の社会システムの変革などの具体的事例が始まり、いわゆる「スマート***」が現実のものとなりつつあります。スマートグリッドでは、電力等のエネルギー流通とICT(情報通信技術)の融合がキーワードであり、わが国だけでなく世界各国においても関連する機関や組織等の間の連携作業が進行しています。
先週の2月27日から3月1日の期間、東京ビッグサイトでは、第2回【国際】スマートグリッドEXPOが開催され、私も金曜日に出かけてきました。雨降りで花冷えのする天気ではありましたが、大変な賑わいでした。本EXPOは、電力・エネルギー機器、情報・通信機器、インフラ、IT制御などのスマートグリッド/スマートシティに関する製品、技術が一堂に集結した国際展示会で、電力会社、ガス・石油などのエネルギー関連企業、重電メーカー、通信事業者、ハウスメーカー、ゼネコン、ディベロッパー、法人ユーザー、地方自治体などの様々な業界関係者の参加で、ICTによる新しい業際ビジネスの重要な課題となってきているという実感がありました。
経済産業省は、「スマートハウス標準化検討会」は、2月24日に、次世代電力計「スマートメーター」と太陽光発電装置、家電製品などをつなぐ家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)の標準規格を決めた、とプレスリリースしました。
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120224007/20120224007.html
総務省では、ITU‐Tにおけるスマートグリッドに関する検討状況を取りまとめています。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000139325.pdf
このような社会背景の中で、ITU(国際電気通信連合)においてもスマートグリッドの標準化に関する検討が進み、今春からは新たなステップへの進展が見込まれています。1月16日付のマエダブログで、1月のITU-TのTSAG会合において、「スマートグリッド」に関する標準化検討を加速するためにJCA(Joint Coordination Activities) on Smart Grid and Home Networkingを新設してITU-Tでの検討を開始することを合意したことを報告しました。
このITU-Tでの標準化動向に対して、TTCではスマートコミュニケーションAGの下で、業際における連携の仕方を議論すると共に、次世代ホームネットワーク専門委員会での技術検討を行なって行く予定です。更に、スマートグリッドが先導するスマートコミュニケーション社会に関するさまざまな検討が、M2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)などに代表される取組みによって開始されることになるでしょう。
さらに、TTCでは、この時期に、電力業界のほか幅広い関係の皆様にお集まりいただき、さまざまなICTの利活用について議論させていただく「スマートグリッドとICT」に関するシンポジウムを4月6日午後に開催することとしました。開催にあたっては、総務省と経済産業省のご後援をいただき、「スマートグリッド」と「ICT」について、日本国内での幅広い議論をいただける機会が得られることの意義は大きいと思います。今後のスマートコミュニケーションに関する幅広い連携への道を切り拓くきっかけともさせていただきたいと考え、多くの皆様のご参加を期待しています。