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マエダブログ TTC専務理事・前田洋一のTTCよもやま話

「国際競争力強化のための標準化戦略に関するパネル討論会」の開催

 「ICT標準化・知財センター(iSIPc)」の特別企画として、6月6日、メルパルク東京にて、「国際競争力強化のための標準化戦略に関するパネル討論会」を開催させていただきました。私は、昨年10月よりTTCの専務理事と共に、iSIPcセンター長を拝命しており、このブログはセンター長として筆を執りました。

 本パネル討論会は、昨年末から企画を始め、当初は3月末に開催予定でありましたが、東日本大震災もあり、6月6日に延期させていただきました。大地震は日本経済そのものに大きな影を落とし、一時イベント自粛の流れもありましたが、日本企業が再生し経済の復興を果たすためにも、討論会の実施を判断しました。3年弱のiSIPcの活動を通じて、研究開発だけでなく、知的財産戦略および国際標準化戦略が産業競争力強化に対して極めて重要な役割を果たすことは、広く認識されてきました。

 大震災からの日本の復興にとって、ICT分野における日本企業の復活が必須でありますが、そのICT分野の国際ビジネスにおいてはオープンな国際協業が不可欠です。その中で日本企業の市場競争力を強化していかなければなりません。つまり、国際協業力と競争力を強化するために、国際標準化を戦略的にとらえた「産」「学」「官」の緊張関係と連携が重要と考えております。本パネル討論の目的は、このような課題に対し、我々が今後どのように対応するべきかについてご議論いただく場を提供させていただくことでした。

 パネル討論会では、司会進行の真咲なおこ様、パネルコーディネータの安田浩様をはじめ、内海善雄様、江崎浩様、大久保榮様、村野和雄様のパネリストの皆様(ご略歴などは以下のURLをご参照ください)をはじめ、関係者の皆様には、度々の計画変更にもかかわらず、熱心にご支援をいただき、本会を迎えることができました。感謝いたします。

 blog20110608-3r1.jpg 今回、予定の100名を超える多数の参加をいただいたことは、ICT関連業界の皆さんのこのパネル討論への期待の表れではないかとも推察します。パネリストの皆様のご経験に基づいた視点と日本を想っての有益なご提言をいただき、フロアとの質疑討論も活発で、大変に盛況な会となりましたことを大変嬉しく思っております。
 本会の挨拶でも触れさせていただきましたが、「ICT標準化・知財センター(iSIPc)」は、「我が国の国際競争力を強化するための研究開発・標準化戦略について」という答申を情報通信審議会から総務省が受けて、その具体化組織として設立されたもので、2008年7月31日に、ICT分野の8団体(TTC , CIAJ ,TELEC,SCAT,JATE,ARIB, ITU-AJ, JCTEA) により設立されました。その後、諸般の事情により、本年6月30日をもって組織としては廃止することが決定されております。

  しかしながら、その設立の精神、すなわち我が国の国際競争力強化のための様々な戦略策定と施策の推進は、今の時代でこそ重要なことであり、今後も継続的に発展すべきものであると考えます。今回まとめましたICT標準化戦略に関する提言については、TTCとして、今後の標準化活動に生かしていくと共に、後世に引き継いでいければと思っております。