中国広州でのXGPフォーラム総会に出席
私は昨年10月より、TTCの専務理事の役職に加え、XGPフォーラム(*1)の議長を拝命しております。XGPフォーラムは、次世代高速無線通信技術の標準化を推進する団体です。
http://www.xgpforum.com/ja/member/newchairperson.html
このXGPフォーラムの第27回総会は当初東京で開催される予定でしたが、東日本大震災の影響を考慮し、急遽、4月26日、中国広州のCrown Plaza Hotelを会場として、開催されました。写真1はホテルからの会場付近の風景です。
広州市は、広東省の省都で、経済規模は、上海市、北京市に次ぐ第三位です。日本語の音では「杭州」と同じのため、混同しないように注意が必要です。
気候は、昼間は気温30℃と南方の気候でしたが、朝夕は爽やかでした。広東料理は有名ですが、広州での食事は、どの食事も楽しめました。写真は、会場近くの麓湖公園内にある「鹿鳴酒家」の一品です。
総会では、XGP仕様の拡張版(A-GN4.00-02-TS-XGP Ver.02/Rev.02)が無事承認されました。XGPが目指しているのは、次世代PHS(neXt Generation PHS)と言われていましたが、多元アクセス方式としてOFDMA/TDMAを採用し、送受の多重方式にTDD方式を、基地局構成にマイクロセル方式を特徴とした無線ブロードバンドシステムです。各国により、周波数免許が異なりますが、TD-LTEとの関係は今後の課題です。
総会の同日午後には、「日中次世代移動通信技術協力セミナー」が開催され、TDD方式としての共通性があるTD-LTE(*2)に関するオペレータやベンダの発表が行われました。中国では、TD-LTEの開発は大変活発で、実証実験などを通じて、その技術の成熟度がアピールされていました。TD-LTEへの日本国内での関心はまだ高くないようですが、将来のITSシステムの廉価なアクセスシステムとしての期待も大きく、今後のTD-LTEの動向は注目が必要です。
(*1) XGPフォーラム: PHS普及活動を推進してきた、「PHS MoU Group」を改組した団体。略称は、 “eXtended Global Platform”。議長は、TTC(情報通信技術委員会)専務理事の前田洋一、Business Working Group、Technical Working Group、Promotion Working Group、 Optimization Working Groupと4つの作業部会がある。
(*2) TD-LTE: Time Division duplex Long Term Evolution。LTEと時分割により単一の周波数での同時送受信を実現するTDD(時分割複信)を組み合わせたもの。