TTAとの連携活動の紹介
TTCは、2024年11月27日(水)に、韓国の標準化団体であるTTA(Telecommunications Technology Association:韓国情報通信技術協会)との間で、標準化活動の相互連携強化のためのMoU(Memorandum of Understanding)の改定を行いました。最近のTTAとの連携活動を含めて報告します。
TTAとのMoU改定調印式
TTAは韓国における情報通信技術(ICT)分野の標準を公式に策定する機関であり、ICT標準の確立と普及を支援するとともに、関連するICT技術の試験と認証サービスを提供しています。
2024年11月27日、同年にTTA理事長に就任されたSeung-hyun Son氏をTTCに迎えMoU改定の調印式を行いました。1989年7月に締結したMoUからの主な追加と変更点は以下のとおりです。
- 著作権、特許等の知的財産権/工業所有権の扱いに関する記述を追加
- 相互のイベントへの参加やワークショップを共同開催し参加することができる記述を追加
- 相互協力に関する内容を充実
- MoUの自動更新に関する記述及び終了する場合の期日に関する記述を追加
- 秘密保持義務の記述を追加
なお、TTC会員の方は、TTCホームページの国際連携AGページからMoUの閲覧が可能です。

TTAとの連携した取り組み
TTCは、2024年6月にTTAを訪問し、人材育成をテーマに標準化人材育成の取り組みについて意見交換を行うとともに、6月13日(木)にTTA・TTC共催ワークショップを開催しています。今回は、これに引き続き、11月27日の午後に、TTAの国際連携のメンバ、TTCの標準化会議議長、BSG専門委員会委員長を含め、標準化人材育成の取り組み、標準化委員会の管理や運用、BSG(標準化格差解消)の取り組みについて意見交換を行いました。
TTAでは、標準化人材育成の取り組みとして、6月のワークショップでも共有頂いたように、初級(Initiateレベル)、中級(Generalレベル)、上級(Masterレベル)に分けた教育プログラムがそれぞれ実施されています。また、2026年までに1,000人の標準化人材の育成目標が政府より要請されているとのことです。
TTCからは、専門委員会の管理・運営に関連して、新興技術や業界横断のトピックについては、業際イノベーション本部のワーキングパーティのスキームで非会員を含めて議論や情報共有できる場を提供していることを紹介しました。TTAからISO/IEC JTC1やJISCとの重複がないのかと質問があり、定期的にJTC1の国内審議団体と連携して情報交換を実施していることを伝えました。
標準化格差解消についての取り組みについては、TTCから、2023年度と2024年度に実施した標準化人材育成のAPT研修の紹介やAPTの支援で実施している社会課題解決のICTソリューション開発プロジェクトについて紹介しました。TTAからは、SME(Small and Medium Enterprise)に対する標準化支援を紹介いただきました。これは、政府の支援により、SMEに対して専門家がメンターとして、寄書作成、プレゼン、国際標準化申請等をサポートするものですが、TTAはSMEと専門家のブリッジ役として機能しており、SMEへの専門家の派遣は40件の事例があるとのことでした。
今後の予定
TTAでは、標準化人材育成やSMEへの標準化活動支援に関して進んだ取り組みが実施されており、非常に参考になります。また、アジア太平洋地域での社会課題解決のためのICTソリューションの普及や、標準化人材育成研修実施については、TTCでの実績が多くTTA側が関心を示しています。今後も、互いにWin-Winの関係で協力連携して互いの活動を行って参りたいと思います。標準化人材育成の教育プログラムについては、引き続き連携して、アジア太平洋地域の標準化人材育成に貢献していきたいと思います。