国際機関との連携(Wi-SUN Alliance・Digital Twin Consortium・ETSI)
1. Wi-SUN Allianceとの改定MoU締結
2024年9月17日、Wi-SUN AllianceのPhil Beecher会長を迎えて、TTCとWi-SUN Allianceとの間で標準化組織間の協調、連携を推進するための改定MoU(Memorandum of Understanding)を締結しました。
Wi-SUN Allianceは、IEEE 802.15.4g(ワイヤレスセンサネットワーク向け近距離無線通信の物理層規格)を使用した通信仕様(プロファイル)の策定、相互接続性の確保を目的に2012年に設立された業界団体で、約200社が参加しています。
TTCとWi-SUN Allianceは、2013年にMoUを締結しており、これに基づき、Wi-SUNアライアンスの文書が、TTC標準JJ-300.10「ECHONET Lite向けホームネットワーク通信インタフェース(IEEE802.15.4/4e/4g 920MHz帯無線)」に転記される形で使用されています(※1)。今回のMoU改定は、Wi-SUN Allianceからの要請に基づくもので、条文を全面的に見直したものです(※2)。
(※1):TTCのIoTエリアネットワーク専門委員会では、2012年11月にHEMS(Home energy Management System)と住宅内機器を接続するための標準インタフェースであるECHONET Lite規格のOSIにおける下位層通信インタフェースを実装するためのガイドラインとしてTTC技術レポートTR-1043「ホームネットワーク通信インタフェース実装ガイドライン」第1版を制定しました。JJ-300.10は、このTR-1043第2.1版(2013年2月26日制定)で記載された通信インタフェース標準の一つで、その最新版であるJJ-300.10第2.3版は2024年5月16日に制定されています。
(※2):Wi-SUN Allianceは、IEEEとの間でもMoUを締結し、これに基づき、IEEE文書の中Wi-SUN規格文書を転記する形でWi-SUNアライアンスで策定した仕様がIEEE標準として採用されています。今回のTTCとWi-SUN AllianceとのMoU改定は、このIEEEとのMoUの条文に合わせて見直しを行ったものです。
2.Digital Twin Consortium Dr.Said Tabet会長の来訪
2024年10月1日、Digita Twin Consortium (DTC)(https://www.digitaltwinconsortium.org/)の会長であるDr.Said Tabet氏が日本OMGの吉野 晃生会長、石川 絵理香代表理事とともにTTCを訪問されました。
DTCは2020年5月に設立され、デジタルツイン技術の認識、採用、相互運用性、開発を推進し、産業界、学界、政府の専門知識との共同パートナーシップを通じて、デジタルツインの全体的な開発を行っており、イノベーションを推進し、エンドユーザーの効果を導くことで、市場を加速化することを目的としています。また、日本OMGはDTCの日本の普及促進の窓口であり、2022年にTTCとの共催で【2022年度情報通信月間参加行事】TTC・日本OMG共催オンラインセミナー「Digital Twinの活用と標準化最前線」を開催しており、その際にDTCの白書等を紹介頂きました。
今回の来日の際には、連携ワークショップを開催してSaid会長にDTCの状況についてご紹介を頂く機会ができなかったことから、以下の情報を提供頂くことになりました。
TTCではこれらの情報を含めた日本OMGとの共催セミナーを企画しております。開催の折は、是非ご参加ください。
3.ETSI(欧州電気通信標準化機構) Jan Ellsberger事務局長の来訪
2024年10月9日、2024年4月にETSI事務局長(Director-General)に就任されたJan Ellsberger氏およびCTOのIssam Toufik氏がTTCを訪問されました。Ellsberger事務局長からは、ETSIの標準化体制や今後の中長期の戦略、EUで進められているSEP(Standard Essential Patent:標準化必須特許)に関連するETSIのSEPデータベース、データに関する標準化動向等についてご紹介頂きました。TTCからは、IPR委員会および標準化人材育成の活動について紹介しました。標準化人材育成についてはETSIの担当者と連携する事となりました。