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第2回APT WTSA-24準備会合

  2月5日(月)および6日(火)にITU-T WTSA-24に向けた第2回目のAPT準備会合がオンラインで開催され、21ケ国の主管庁から180名、21企業組織の賛助会員から77名、5つの国際機関から12名、アドバイザ、事務局から11名、計280名の参加者で実施されました。主管庁の上位国参加者数は、インド29名、タイ28名、中国22名、韓国17名、インドネシア16名、フィリピン13名、マレーシア10名、パプアニューギニア8名、日本6名でした。日本からの賛助会員の参加者は、KDDI2名、NEC2名、NTT3名、NTTドコモ、OKI、NICT3名、TTC2名でした。会合の冒頭に、APTの近藤勝則事務総局長、ITUの尾上誠蔵TSB局長より挨拶がありました。4年に一度開催されるITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の総会であるWTSA-24(世界電気通信標準化総会)が、2024年10月15-24日、インドのニューデリーで開催される予定です。WTSA-24は2025~2028年のITU-Tにおける研究体制及びその議長・副議長職のポスト、新技術の研究課題等を決定する重要な会合です。APT WTSA-24準備会合は、WTSA-24に向けたAPT(アジア・太平洋電気通信共同体)加盟国(38ヵ国)における準備会合として開催されるものです。

1. オープニングプレナリ

  APTの近藤勝則事務総局長より歓迎の挨拶があり、続いてITUの尾上誠蔵電気通信標準化局長の挨拶、APT WTSA-24準備会合のHyoung Jun Kim議長の挨拶がありました。尾上局長からはBridging the Standardization Gap(BSG)に関するTSBの活動について紹介がありました。また、APT事務局から、第16回アジア太平洋電気通信共同体総会(GA-16)及び第47回APT WTSA関連管理委員会(MC-47)におけるAPT-WTSAに関連する決定が報告されました。

1.1  ITUおよびその他の国際・地域機関によるWTSA-24の準備会合報告

  ITUのWTSA-24の準備と2024年1月に開催された地域代表者会合(IRM)&TSAG会合の成果について、ITU電気通信標準化局 (TSB) のBilel Jamoussi次長より報告がありました。APT事務局は、準備会議のスケジュールがタイトであるため、TSBが推奨する2024年9月16日ではなく、PP決議で設定された2024年9月23日までにACPsをWTSA-24に提出する予定であると述べました。地域からは、Regional Commonwealth in the Field of Communications (RCC) 代表のEvgeny Tonkikh博士およびAfrican Telecommunications Union (ATU) 代表のIsaac Boateng氏が各地域会合の状況を報告しました。ITU TSBの太田宏カウンセラーから、WTSA-20の成果についての報告がありました。

1.2 文書リストと文書割当

  China Telecomから遅れて提出されたProposed Modification to draft APT Focal Points APT-WTSAの作業方法の修正案は、次回会合で議論することになりました。

1.3 WGの課題文書

1.3.1 WG1(作業方法:議長 山本浩司氏(日本:NTT))

  WTSA決議とITU-T Aシリーズ勧告の最新情報を提供し、APTメンバーに提案の提出、WTSA-24の新決議の策定、その他の課題の提案を呼びかけました。

1.3.2 WG2(組織構成:議長 Kangchan Lee氏(韓国)

  WTSAの成果、WTSAで設立されたドラフティンググループとアドホックグループのリスト、TSAGでの議論のトピック、WTSAでの議論のトピックを簡単に紹介し、WG2はWTSA-20の2つのSG再編に関するAPT見解に焦点を当てる必要があることを強調しました。

1.3.3 WG3(規制/政策と標準化関連事項:議長 Li Cheng氏(中国))

  WG3で議論されるWTSA決議、TSAGとSGでの関連活動について簡単に紹介しました。また、WG3に関連した他の地域グループのWTSA-24への準備会合に対しての検討が必要であることを強調しました。

1.3.4 プレナリーに割り当てられた文書の検討

  ITUの電気通信標準化諮問グループ (TSAG) から2つのリエゾン文書を受け取りました。APT事務局は、各ワーキンググループに対してリエゾン文書の検討を依頼しました。

1.3.5 Proposed China View on Standardization Related Resolutions

  中国のNanxiang Shi氏がこの文書を発表しました。この文書にはいくつかの提案が含まれており、WG2およびWG3セッションでも議論することになりました。

2.WGの審議結果

2.1 WG1

  A.8、決議7、40、68、75、および新たな決議案に関する6件の提案がありました。今回は提案をレビューしただけであり、次回の会議でさらに議論する予定です。

2.2 WG2

  研究グループの再編、決議2と78に関する提案がありました。再編については、研究グループ9と16の統合が議論されました。

2.3 WG3

  4カ国から36件の提案があり、会議ではすべての提案を簡単に検討しました。

2.4 APTが提案するトピックのAPT課題担当者(Focal Point)の指名

  対応主導国と支援国に対し、関連する提案を次回の会議に持ち込むために、会合後における電子メールでの議論の要請がありました。また、限られた時間の中で多くの提案を議論するため、第3回APT WTSA-24準備会合の後に臨時/中間オンライン会議を開催する検討することになりました。

 APTが提案するトピックのFocal Pointの決定は、第3回APT WTSA-24準備会合までに対応主導国と支援国が意思疎通を行うことになりました。

特に、決議50、52、58、60、73、76、77、92、98のような複数の国によって提案された決議については調整が求められます。

3.PACPs開発スケジュール

  PACPs(Preliminary APT Common Proposal:仮APT共同提案)開発のスケジュールとAPT WTSA-24の3種類の成果物、APT共同提案 (ACP:APT Common Proposal) 、APTポジション、APT見解の定義と、PACPsとACPsに関するAPTの承認手続きの説明がありました。 APT見解はメンバーで検討され、プレナリーで採択されます。APTの見解は、TSAG、ITUスタディグループ、IRM、または会議/総会の下位組織に提出されることになっています。APTポジションは、ACPの無い特定の事項に関するAPTメンバーの合意された見解であり、準備会合のプレナリーまたはAPT調整会合で承認されたものであるとの説明がありました。メンバーがPACPsを策定するためには、2024年6月の第4回APT WTSA-24準備会合までに提案するよう強く勧告しました。

4.その他

  APT WTSA-24準備会合の副議長に対し、他の地域グループの準備会合に出席して、APTのWTSA-24の準備に関する最新情報を共有するよう要請がありました。

APT事務局から、WTSA-24調整のためのAPTポータルの開発が提案されました。WRC-23調整で運用し有効であった、APTポータルの機能を紹介し、WTSA-24調整のためのAPTポータルに関するコメントや提案を提供するようメンバーに求めました。次回会合でWTSA-24の調整のためのAPTポータルの最新情報を提供する予定です。

5.今後の予定

  第3回APT WTSA-24準備会合は、2024年4月29日から5月2日でカンボジアのシェムリアップでハイブリッド、第4回APT WTSA-24準備会合は、2024年6月23日から25日でオーストラリアのアデレードでハイブリッド、最終会合である第5回APT WTSA-24準備会合は2024年8月19日から23日にタイのバンコクでハイブリッド形式により開催が予定されています。なお、多くの文書の審議を要するWG3については、第3回の会合前に臨時の中間のオンライン会合を開催するかをAPT事務局が検討することとなりました。次回第3回会合の提案締め切りは4月20日となっています。