第62回oneM2M TP東京会合報告
1.はじめに
第62回oneM2M TP(Technical Plenary) 東京会合が、2023年12月4日(月)~8日(金)、ARIB/TTCのホストでTTCの会議室において開催され、62名(オンライン参加:28名)が参加しました。日本でのTP会合は、2018年12月に金沢での開催以来、5年ぶりの開催となります。また、12月6日(水)午後には、Industry Dayと銘打った、oneM2M合同専門委員会(ARIB/TTC)の後援によるセミナーが開催されました。
oneM2Mは、ATIS(米国)、ARIB(日本)、CCSA(中国)、ETSI(欧州)、TIA(米国)、TTA(韓国)、TTC(日本)の7つのSDOが2012年に設立(2015年にTSDSI(インド)が加入したためSDOは現在8つ)したパートナシッププロジェクトです。oneM2Mでは多様なM2M(Machine to Machine)アプリケーションをサポートするサービスレイヤの標準化を行っており、現在リリース5仕様の策定を行っています。
2. 主要トピック
本TP会合では、初日4日(月)午前にオープニングプレナリー、その後最終日8日(金)午後まで、3つのWG、WG1:RDM(Requirement and Domain Models)が3セッション、WG2:SDS(System Design and Security)が7セッション、WG3:TDE(Testing and Developers Ecosystem)が4セッション、最終日8日(金)午後にクロージングプレナリーを行いました。また、6日(水)にIndustry Dayイベントを実施しました。
2.1 各WGの審議報告
2.1.1 WG1 RDM
- 新規WI1件(TP-2023-0104R01: WI proposal on Digital Twins enablement)
- TS-0023に対するCR(Change Request)1件(XSDスキーマ一部変更)が合意。
- MetaverseとoneM2Mのブリッジングに関する2件のContributionについて合意。
2.1.2 WG2 SDS
- TS-0001 (Functional Architecture), 0004 (Service Layer Core Specification), 0022(Field Device Configuration)に対する11のCRが合意。
- TS-0008(CoAP Protocol Binding)について前回TPに引き続き議論。リリース5でPrimitive parameterをペイロードにマッピングするためのCRを準備。またR2,R3,R4とのコンパチビリティを確保。IANA(Internet Assigned Numbers Authority)との協議は継続。
2.1.3 WG3 TDE
- CR発行等のMarkdown procedureについて継続議論。(Converter toolの改善等)
- GCF(Global Certification Forum)IAG(Internet of Things Agreement Group)リエゾンに対する回答案についての議論。
2.2 対外リエゾン
- Draft SAREF Guidelines for IoT Semantic Interoperability(TP-2023-0094) ETSI TC SmartM2M – Noted
ETSI SmartM2M作成のドラフト標準ドキュメントの確認依頼がありました。コメントがあればSC議長またはTP議長に送ることとなります。
- Industry Adoption and Future Roadmap of oneM2M(TP-2023-0095) GCF IAG
GCF IAGからoneM2M TPに対するリエゾンがありました。oneM2MのRel-1,2について認証実績がほとんどないことに関する質問もありました。
- Reply_LS_to_GCF-IAG(TP-2023-0117R02) TDE Chair – Agreed
GCF IAGからのリエゾンに対し、TDE議長より回答案が出され、合意されました。
2.3 新Work Item
以下4件の新WIについて内容が合意されました。
- TP-2023-0098(WI-0115) New Work Item 3GPP interworking via NEF N33 API – Approved
- TP-2023-0074(WI-0116) WI proposal Rel 2-3-4 Maintenance - Agreed
- TP-2023-0075(WI-0117) WI proposal on Small Technical Enhancements of Rel5 - Agreed
- TP-2023-0104R01(WI-0118) WI proposal on Digital Twins enablement - Agreed
2.4 その他
- ACR(Academia Relationship) のToRが合意。次回TPまでに会合が開始される予定。
- オープンとなっている議長、副議長の選出はなく次回に持ち越し。(TP副議長、 SDS WG議長、 RDM及びSDS WG副議長)
また、リリース5の状況は以下の通りです。
Freeze Dateが前回TPから以下の通り変更されました。
- Stage 1 Freeze : TP#62 - Q4 2023 ⇒TP#63 - Q1 2024
- Stage 2 Freeze : TP#64 - Q2 2024 ⇒TP#65 - Q2 2024
- Stage 3 Freeze : TP#67 - Q4 2024 ⇒TP#68 - Q1 2025
- Ratificationのターゲット(tentative)はTP#68後 (2025.Q2)
3.Industry Dayの開催
6日(水)午後に開催されたIndustry Day(セミナー)には、会場で30名、オンラインで約60名の参加者で実施されました。TP議長Roland Hechwartner氏(ドイツテレコム)及びARIB西岡誠治氏のオープニングスピーチの後、各WG議長やTPメンバー等からoneM2Mの活動概要、具体的な提供事例が紹介されるとともに、最後に行われたパネルディスカッションにおいて活発な意見交換が行われました。
Time (JST)
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Session
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Title
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Speaker
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13:05 - 13:15
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Opening Remarks
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Welcome Speech 1 |
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Welcome Speech 2 |
Seiji Nishioka (ARIB)
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13:15 - 13:35
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oneM2M - Features and Benefits
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Overview of oneM2M Standard
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JaeSeung Seong - oneM2M TP Vice Chair (Sejong University)
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13:35 - 13:55
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Cellular IoT Past, Present, and Future
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Andreas Neubacher (Deutsche Telekom)
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13:55 - 14:15
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A Roadmap to Scalable Deployment
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Bob Flynn - oneM2M TDE Chair (Exacta Global Smart Solutions)
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14:15 - 14:35
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SmartM2M Digital Twins STF + Smart Lifts
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Massimo Vanetti - oneM2M RDM Chair (SBS- ETSI)
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14:35 - 15:05
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♣ Break
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15:05 - 15:25
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oneM2M - Adoption and Deployment
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Getting Started in oneM2M
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Andreas Kraft (Deutsche Telekom IoT)
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15:25 - 15:45
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oneM2M Developer Support
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SeungMyeong Jeong - oneM2M SDS Vice Chair (KETI)
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15:45 - 16:05
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oneM2M Testing and Certification
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Miguel Angel Reina Ortega (ETSI)
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16:05 - 16:25
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oneM2M Security by Design
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Rana Kamill (BT Group)
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16:25 - 16:45
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Deployment Experience in India Market
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Poornima Shandilya (C-DOT)
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16:45 - 17:05
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oneM2M University Relations - Sejong University, S. Korea
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JaeSeung Seong
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17:05 - 17:20
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♣ Break
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17:20 - 17:50
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Panel Discussion
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oneM2M as an Interoperability Framework
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Moderator- Massimo Vanetti
·Andreas Kraft
·Bob Flynn
·Rana Kamill
·SeungMyeong Jeong
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17:50 – 17:55
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Closing Remarks
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Concluding Remarks
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Roland Hechwartner
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4.おわりに
oneM2MのTP会合は、各地域SDOが持ち回りでホストとなり開催しています。日本は、2020年10月に福岡で開催する準備をしていましたが、コロナ禍の影響で延期となり、ようやく今年、開催地を東京(TTC会議室)に変更して実施することができました。TTCは、今回、ロジスティクス担当として開催をサポートしました。会合運営を主体となって行って頂いたARIB関係者の皆様に御礼申し上げます。
今回の会合はハイブリッドで実施しましたが、5年ぶりの日本での開催に海外からも多くのメンバーが会場に参加し議論が行われました。oneM2Mは活動開始から約10年を経過していますが、インドが国家標準としてoneM2M規格を採用する一方、日本国内では設立当初のような活発な活動は行われておりません。TTCは、今後、日本のメンバーの意向に沿って対応して参ります。