インド6G標準化ワークショップ参加報告
第7回インドモバイルコングレス
2023年10月27日から29日にインドニューデリーのプラガティ・マイダンで第7回インドモバイルコングレス(India Mobile Congress:IMC)2023が開催されました。
インド政府電気通信省(Department of Telecommunications: DoT)のテレコムエンジニアリングセンタからの講演依頼を受け、10月28日、29日にコングレス内で開催された第2回6G標準化国際ワークショップに参加しました。
コングレス初日の27日 には、モディ首相が5G技術による社会経済の革新を促進と国内への6G環境の構築を目的とした「100 5G Lab Initiative(100の5Gラボ・イニシアチブ)」を発表しました。ITUのドリーン事務総局長も参加されていたようです。
今回のコングレスのテーマは、「Global Digital Innovation(グローバルデジタルイノベーション)」で、展示会には、67カ国の展示が集まり、インドの大手企業に加え、エリクソン、インテル、ノキア、シスコ等のグローバル企業が展示を行っていました。展示の規模としては、近年のITUテレコムと同等かそれ以上と感じました。
なお、ITU-TのWTSA24は来年10月にインドがホストで開催されますが、IMCの会場と同じプラガティ・マイダンで開催予定です。
第2回6G Standardization国際ワークショップ
本ワークショップはIMC2023のワークショップの一つとして開催されました。
2日間で、基調講演(両日)、6Gビジョン、6G標準化活動、6G技術開発、6G RANとデバイス、6Gアプリケーションの7つのセッションが実施されました。
6G RANとデバイスのセッションで、日本のメンバーが牽引しているITU-TのFG-AN(Focus Group-Autonomous Network)、Beyond5Gコンソーシアムの国際委員会自律性WGでのAutonomous Network標準化活動等について紹介を行いました。参加セッションでは、ORAN AllianceからAI-native Open RAN for 6G、Keysight TechnologiesからImpact of AI/ML、EricssonからLead 6G by Leveraging 5G、Nokia Bell LabsからUpdate from European 6G Flagship projects Hexa-X and Hexa-X-Ⅱの紹介がありました。ネットワークのAI活用の現状を把握する事ができました。
所感
今回ITU-T SG20会合でSG20のリージョナルグループ設立の激論を交わした、インド政府の方から講演依頼を受け参加する機会を得ました。会場では、残念ながら日本の方々をお見掛けする事はありませんでした。TECやTSDSIの方からインドの関係者を紹介して頂き人的ネットワークを構築する事ができました。
第2日目のオープニングセッションで、5Gは中国、韓国が中心的役割を担っていたが、6Gはインドが牽引して行こうとの呼びかけがありました。近年、アジア地域の標準化の場においてインドの活発な活動を感じています。インドが6Gでグローバルでの指導的役割を果たすようにとのモディ首相から参加者への呼びかけを聞き、多くのSMEの5G、6Gの技術開発の展示を拝見しましたが、国を挙げての意気込みを感じるばかりです。
会場で配布された新聞ではWomen in Tech-Bridging the gender gap towards excellenceの記事が掲載され、また、Hexa-Xの成果報告では、“Women in Telecommunications and Research”{WiTaR}を6Gプロジェクトのワーキンググループとして設立するとの報告がありました。TTCとしても標準化ギャップやジェンダーギャップの解消の活動を実施していますが、更に推進して行きたいと思います。
また、ITU-T WTSA24の会場を事前に知る事も出来ました。会場に近いホテルに宿泊したとしても、信号のない道の横断の危険性、歩道の路面の悪さ、大気汚染、野犬との出会い等を考慮すると、近距離でもタクシーの利用をお勧めします。タクシーも予め料金が確定されたライドシェアをお勧めします。