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oneM2M 10周年を迎えて

  9月26日(月)から30日(金)にoneM2Mの第56回TP(Technical Plenary)会合がフランスのソフィアアンティポリスのETSI(European Telecommunications Standards Institute:欧州電気通信標準化機構)本部とオンラインのハイブリッドで開催されました。TP会合中に29日(木)に開催された第63回SC(Steering Committee)会合に参加しましたので報告します。本年はoneM2Mの10周年で、TP会合の初日の26日(月)に記念イベントと29日(木)にETSIがホストの記念レセプションが開催されました。

oneM2Mについて

  oneM2Mは、相互運用可能なIoTシステムのためのオープンスタンダード開発のためのグローバル・パートナーシップ・プロジェクトです。2012年7月24日、世界の7つの主要な標準化団体であるARIB(日本)、ATIS(アメリカ) 、CCSA(中国)、ETSI (ヨーロッパ)、TIA (アメリカ)、TTA(韓国)、TTC (日本) が集まり、相互運用可能でスケーラブルなモノのインターネット (IoT)システムの世界的な標準を開発するためのグローバルパートナーシップイニシアティブとして設立され、2015年にはTSDSI(インド)も加わりました。10年間で、200を超えるメンバー組織が、エンドツーエンドのIoTシステム、アプリケーション、サービスをサポートする技術フレームワークの定義に貢献してきました。

  IoT市場の発展に伴い、oneM2Mは間もなくリリース4が公開される予定で、リリース5の新機能の開発が続けられています。これらは、検索機能と相互運用性、データプライバシー、IoT向け人工知能(AI) などのトピックに対応しています。

  oneM2Mパートナーからのメッセージとビデオの完全な内容を読むには​​​​​​​こちらをクリックしてください。oneM2Mの10周年を記念してリリースされた記事とメモリの写真を見ることができます。

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サステナビリティ委員会:SSCの紹介

   昨年4月に新たに設立されたサステナビリティ委員会を紹介します。

  IoTシステムの有益な影響、オープン標準ソリューションの重要性、およびIoT展開の持続可能性を向上させる上でのoneM2M標準の重要な役割を促進することを目的としています。この取り組みを開始することで、IoTシステムを活用した企業のサステナビリティ構築を支援します。

  持続可能なIoT機能に関する新しいoneM2Mホワイトペーパーが9月に発行されました。oneM2Mの2つ目の 「IoT for Sustainability」 ホワイトペーパーでは、エネルギー消費を削減し、システムの寿命を延ばし、IoT展開における電子廃棄物の量を最小限に抑えるための8つの手法で構成されています。ホワイトペーパーはこちらからご覧いただけます。

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所感

  標準化活動に関わり約30年になりますが初めてETSIを訪問の機会を得ました。oneM2M担当となってからの約2年半はオンライン会合で音声だけのコミュニケーションでしたが、ETSIのLuis Romero事務総局長やoneM2M Enrico Scarrone SC議長とお会いする事ができました。(写真左)

  近年、インドがoneM2Mを国家仕様として、積極的な参画をしています。韓国はoneM2M仕様の認証ビジネスの展開を行っています。日本は発足当初に比べて参加メンバーが減少している状況です。これを国内外における日本企業IoTビジネスがサイロ化でも成り立っている状況と見るか否かという点はありますが、インドの国家ぐるみで取り組みを注視して行く必要はあると思います。

今後の予定

  次回の第57回のTP会合は11月28日(月)から12月2日(金)に韓国の板橋にあるTTAのGlobal IoT Testing & Certification Centerで開催予定です。また、翌週の12月7日(水)にTTAとETSIが、第8回oneM2M相互運用性テストイベントを開催します。本イベントで、oneM2M標準で定義されている相互運用性を確認し、oneM2インターフェイスおよびエンドツーエンド機能をチェックします。テストは、oneM2Mリリース2、3、および4の最新仕様に基づいて行われます。相互運用性テストイベントは、こちらから参加申し込みができます。

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