ASTAP-34会合速報:Blockchainに関するインダストリワークショップと標準化ワークショップ
4月18日~22日に第34回ASTAP(Asia-Pacific Telecommunity Standardization Program)会合が新型コロナウイルス感染症拡大の影響のためオンライン形式で開催されました。今回の会合には19ヵ国の加盟国から約230名(登録)が参加しました。本会合の初日(4月18日)には、“Blockchain”に関するインダストリワークショップと“Guidelines on setting up National ICT Standardization Regime”に関する標準化ワークショップが開催され、130名が参加しました。写真1はオンライン参加者のスクリーンショットの一部です。
写真1 ASTAP-34オンライン会合参加者の集合写真(1部)
1. “Blockchain”に関するインダストリワークショップと“Guidelines on setting up National ICT Standardization Regime”に関する標準化ワークショップ
前回ASTAP-33会合で開催されたASTAP活動の強化検討アドホックで、今回ASTAP-34会合におけるワークショップは SDO (Standards Developing Organization) を招聘した標準化ワークショップとインダストリワークショップを併せて開催する合意がなされました。インダストリワークショップのトピックは、前回ASTAP-33会合のワークショップのプログラムを企画するCorrespondence Groupで持ち越しとなった“Blockchain”としました。また、標準化ワークショップのトピックは、EG BSGのWork Itemである“Guidelines on setting up National ICT Standardization Regime”をトピックに開催されました。
表1にプログラム構成を示します。青字が日本からの講演者です。
表1 ASTAP-34 Industry and Standardization Workshop Program
Program of ASTAP Industry and Standardization Workshop
Industry Workshop: Blockchain technology and standardization |
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10:30 – 12:30
Introductory Remarks
by Dr. Hideyuki Iwata, TTC, Japan,
Industry Workshop Corresponding Member
Chair: Mr. Xiaoyu You, CAICT China
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12:30-14:00 Industry Workshop: Blockchain industry and application Chair: Dr. Seungyun Lee, Director, ETRI, Rep. of Korea
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14:10 – 15:40
Standardization Workshop: Guidelines on setting up National ICT Standardization Regime
Chair: Mrs. Nguyen Khanh Thuan, Ministry of Information and
Communications, Vietnam
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15:40-16:00
Conclusion of Industry Workshop
Dr. Hideyuki Iwata, CEO&S.V.P, Telecommunication Technology Committee, Japan
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インダストリアルワークショップは、セッション1:Blockchain technology and standardizationとセッション2:Industry Workshop: Blockchain industry and applicationの2つのセッションで構成され、日本、韓国、中国、スリランカから7人の専門家からのご講演を頂きました。日本からは、慶應義塾大学の鈴木 茂哉 先生からご講演頂きました。ご多忙の中、難しい技術を分かり易くご講演を頂きました鈴木先生に感謝申し上げます。セッション3の標準化ワークショップでは、日本からTTC、韓国からはTTA、中国からCCSA、マレーシアからMTSFB、インドからTSDSI、タイからNECTECの6ヵ国からのSDOが参加しました。標準化ワークショップでは、以下の国内SDOが無い新興国からの確認事項に答える内容で情報共有がなされました。
- 国内ICT標準化プロセス
- ICT標準化に関連する国内法
- 政府とSDO・フォーラム・標準化団体の役割
- 業界での取り組み
- 国内標準化制度の制定に関するAPT加盟国への勧告
- ASTAPとAPTへの提案
開催後のアンケートでは、スムーズな会議運営を評価されましたが、セッション間の昼食休憩時間の改善要望がありました。時差等を考慮したオンラインでの開催のため時間が制限される中で、より多くの講演者の方々に情報を共有頂く主旨でタイトなスケジュールとなりましたが、次回会合は会場での参加になることを期待しています。
2. ASTAP組織構成と役職者の更改
本会合では、役職者が表2の通り承認されました。EG BSGの副議長に眞野 正稔 氏(TTC、日本)が就任しました。
表2. ASTAP組織構成(役職者名の敬称略)
Group
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Chairs
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Vice Chairs
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ASTAP
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Dr. Hyoung Jun Kim
(韓国)
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岩田秀行
(日本・TTC)
Mr. Xiaoyu You
(中国)
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WG Policy and Strategic
Co-ordination (WG PSC) |
Mrs. Nguyen Thi Khanh Thuan
(ベトナム)
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釼吉薫
(日本・NICT)
Mr. Wu Tong
(中国)
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Expert Group Bridging the Standardization Gap
(EG BSG) |
Mrs. Nguyen Thi Khanh Thuan
(ベトナム)
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Mr. Ki-Hun Kim
(韓国)
眞野正稔
(日本・TTC)
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Expert Group Green ICT and EMF Exposure
(EG GICT&EMF) |
Dr. Sam Young Chung
(韓国)
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Mr. Min Prasad Aryal
(ネパール)
Mr. Nur Akbar Said
(インドネシア)
Mr. Uttachai Mannontri
(タイ)
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Expert Group ITU-T Issues
(EG ITU-T) |
釼吉薫
(日本・NICT)
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Mr. Tran Quoc Binh
(ベトナム)
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Expert Group Policies, Regulatory and Strategies
(EG PRS) |
[No Chair nominated]
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WG Network and System
(WG NS) |
Dr. Joon-Won Lee
(韓国) |
小川博世
(日本・NICT)
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Expert Group Future Network and Next Generation Networks (EG FN&NGN)
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Dr. Joon-Won Lee
(韓国) |
谷川和法
(日本・NICT)
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Expert Group Seamless Access Communication Systems
(EG SACS)
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小川博世
(日本・NICT)
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Expert Group Disaster Risk Management and Relief System (EG DRMRS)
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荒木則幸
(日本・NTT)
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WG Service and Application
(WG SA) |
永沼美保
(日本・NEC)
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Dr. Jee-In Kim
(韓国) |
Expert Group Internet of Things Application/ Services
(EG IOT) |
山田徹
(日本・NEC)
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Dr. Seung-yun Lee
(韓国)
Ms. Li Haihua
(中国) |
Expert Group Security
(EG IS) |
永沼美保
(日本・NEC)
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Dr. Heuisu Ryu
(韓国)
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Expert Group Multimedia Application
(EG MA) |
山本秀樹
(日本・OKI)
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Dr. Dong il Seo
(韓国)
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Expert Group Accessibility and Usability
(EG AU) |
Dr. Jee-In Kim
(韓国)
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Ms. Wantanee Phantachat
(タイ)
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3. ASTAP作業方法の見直し
ジェンダー平等の観点から、会議中での議長の呼称や文書の記述を“Chairman”から“Chair”に変更する作業方法の見直しを行いました。本会合より、実施され会合や文書修正に反映されました。
“He”や“She”等の呼称も使用しない要請もありましたが、会合において、発言者の名前をすべて把握する事が出来ない面もあり、“He”、“She”、“him”、”her”の呼称を用いる場合は時々あり、より意識を高める必要性を感じました。
4. ASTAP-34での主な成果文書
本会合のプレナリーでは、2件(EG FN&NGN, EG IOT)のToRの見直し、2件の新規レポート文書、4件の他標準化団体へのリエゾン文書(ITU-T SG16, FG AN*1, FG AI4NDM*2, AWG*3)、1件の質問状が承認されました。2件の新規レポート文書は以下のとおりです。
- Final draft of the 2nd Version of APT Report on Asia-Pacific Regional Activities of Human Exposure to EMF
- APT Report on Airport Runway Foreign Object Debris Detection System using Radio over Fiber Technologies
5. 次回ASTAP会合
APT 近藤勝則 事務総局長から、次回ASTAP-35会合は、来年2023年4~6月で、会場に参加者が集まるリアルでの開催を予定すること、また開催場所は現在バンコクが候補にある他、招請国・地域を募集していることの報告がありました。次回会合に併せてインダストリアルワークショップを単独で開催予定、標準化ワークショップはEG BSG主催で新興国を招聘したミニワークショップを開催予定です。
*1 FG AN: ITU Focus Group on Autonomous Networks
*2 FG AI4NDM:Focus Group on AI for Natural Disaster Management
*3 AWG:APT Wireless Group