第2回G20 国際標準サミット開催について
10月28日にG20開催に先立ちイタリア議長国の支援のもと、イタリア経済開発省と外務省の協力を得て開催されました。本サミットは世界標準化協力活動 (WSC: World Standards Cooperation)の国際標準化機関である国際電気標準化会議(IEC)、国際標準化機構(ISO)、国際電気通信連合(ITU)および、イタリアの標準化機関であるイタリア規格協会(UNI)とイタリア電気技術委員会(CEI)の共同で開催されました。当初はイタリアのナポリで開催予定でしたが、COVID-19の世界的な流行の影響でリモートでの開催となり、約500名がオンラインで参加しました。
本サミットの第1回は、昨年、G20議長のサウジアラビアの議長国の下で開催されました。
今回、TTCはITUからの本サミットへの招待を受け参加の機会を頂きましたので報告致します。
WSCの国際標準化機関は、G20議長国イタリアの3つの柱である「人、地球、繁栄」に直接貢献するために、すべての国に、国際標準を認識、支援、採用するよう求める共同宣言を発表しました。
宣言では、各国政府が政策で標準を参照することにより、雇用、健康、教育(人)を大きく支援し、持続可能性(地球)に貢献し、企業の経済回復力(繁栄)を可能にするとしています。
WSCのリーダは、現在のCOVID-19の世界的な流行において、3つの柱すべてにデジタル化の利点があり、それを支えるために国際標準が果たす役割が不可欠であることを強調し、国際標準は、すべてのユーザーに品質と互換性を提供する「共通言語」を生み出すデジタル技術のバックボーンであることを示しました。
「社会の利益のために安全かつ効率的に機能するデジタル技術は、持続可能で公平で豊かな未来を約束します。デジタル技術は新しい形のコラボレーションを可能にし、環境政策に新しい創造的な可能性をもたらします。国際標準に準拠したデジタル技術は、気候変動対策と経済的持続可能性のための強力なソリューションである。」と行動を呼びかけています。
ITU電気通信標準化局のChaesub Lee局長は、新しい技術力が私たちの将来にどのように影響を与えるべきかを決定する上で、すべての人に発言権を与えることの重要性を強調しました。
IECのPhilippe Metzger事務総局長からは、国際標準と適合性評価の活動は、より持続可能で包括的な世界を構築するための取り組みを支援することであると述べました。
ISOのSergio Mujica事務総局長からは、世界は前例のない世界的な課題に直面しており、国際協力と協力の強化が求められていると述べました。
イベントの締めくくりとして、イタリア環境移行大臣のチーフ技術アドバイザーであるRenzo Tomellini氏から、ネットゼロ(Net Zero)の目標を達成する上で基準の重要性を強調しました。「国際標準は、世界が直面している経済的、環境的、社会的レベルでの課題に取り組むために不可欠です。」と述べました。
今回は、ITUからの招待により本サミットに参加する機会を得ましたので、報告させて頂きました。WSCの国際標準化機関は国際標準化の重要性、SDGsへの貢献について共同宣言、行動の呼びかけを行いました。とりわけG20に引き続き英国グラスゴーで開催されるCOP26を意識した環境対策への国際標準化の重要性について述べられていたと思います。TTCも標準化活動を通じて、社会の持続的発展に貢献して参りますので宜しくお願い致します。