頭文字SDGシリーズ「S:Safe listening」
皆さんこんにちは。TTC専務理事の岩田です。前回のブログでは頭文字DのDX、デジタルトランスフォーメーションのTTCの取り組みについて紹介させて頂きました。3月3日と言えばひな祭りですが、聴覚の日でもあります。今回は頭文字SのSafe listeningの活動について紹介させて頂きます。
世界保健機構(WHO)は、2019年2月にスマートフォンなどの携帯音楽プレイヤーで長時間大音量の音楽を聴き続けると聴覚障害なる危険性に対して音量制限機能などを求める国際標準勧告に関する発表を行いました。
慶應大学の川森先生がエディタとしてITU-T SG16(マルチメディア)で勧告H.870“Guidelines for safe listening device/systems” が2018年8月に策定されました。また、TTC標準としてJT-H870(安全なリスニングデバイス/システムのためのガイドライン)が2019年8月に制定されております。
本標準化の策定によって、我々が使用しているリスニングデバイスにどう反映されているか実証したいと思います。まず勧告で推奨している「サウンド許容容量」機能です。安全利用の目安は大人の場合、音量80デシベルを1週間に40時間までとし、機器にどの音量をどれくらい聴いたかを明示する機能があります。80デシベルはどのくらいの音量なのか?ふと気になりましたので実証することとしました。WHO等によると電車音や目覚まし時計に近いということで、2つの実証実験を行いました。音量測定にはスマートウォッチのノイズ測定ツールを使いました。
実証実験①:電車音
屋外で測定し、丁度80デシベルの前後の音であることが分かりました。短時間ではありますが、80デシベルを超えると結構大きな音であることが分かりました。
実証実験②:目覚まし時計
80デシベル値を測定したのは、普段、時計を置く距離と大体同じくらいでしたので、就寝時に感じられる音量であると感じました。
実証実験から80デシベルを実感頂けたでしょうか?実際に、サウンド許容容量機能を有するリスニングデバイスで音楽を聴いた場合、予め設定をすることで、許容範囲を越える場合にはアラームが表示されます。
今回は標準化の活動が健康維持への貢献した事例を紹介させて頂きました。TTCは標準化活動を通じて、社会への貢献できるように更に努力して参りますので引き続きご支援いただきますよう重ねてお願い申し上げます。